韓国が敬遠していた「メイド・イン・チャイナ」の変容
Posted February. 24, 2025 08:38,
Updated February. 24, 2025 08:38
韓国が敬遠していた「メイド・イン・チャイナ」の変容.
February. 24, 2025 08:38.
.
「『メイド・イン・チャイナ』ではなく、『メイド・イン・コリア』だからです」昨年末、ソウルの明洞(ミョンドン)に立ち寄った際、スーツケースの値段が高いと言って立ち去ろうとする外国人客を引き止めるために、商人がこんなことを言っていた。「韓国製は中国製より高いが、品質は良い」という意味だろう。韓国を含め、世界各国では長い間、「メイド・イン・チャイナ」の製品を安いが品質は劣る商品として扱ってきた。中国経済が数十年間、「品質」よりも「安さ」を武器に高速成長したことも否定できない。しかし、「低コスト高効率」で世界を驚かせた中国の人工知能(AI)スタートアップ「ディープシーク」の躍進は、もはやこのような固定観念を覆す。中国は2015年に「製造2025」政策を発表した。25年までに製造業大国の仲間入りを果たし、45年には製造業大国の中でも最前線に入るという野心的な計画だった。この計画は着実に進んでいる。18年、中国最大の電気自動車バッテリーメーカーであるCATLは、日本のパナソニックを抜いて世界シェア1位になった。中国商用航空機(COMAC)は23年に「C919」の初の商業運航に乗り出し、米ボーイングと欧州エアバスが二分してきた国際民間旅客機市場に挑戦状を叩きつけた。中国の電気自動車メーカー、BYDも昨年、米テスラを抜いて世界で最も多く電気自動車を販売した。先月にはディープシークが先端情報技術(IT)分野における中国の能力を世界に誇示した。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは昨年8月の時点で、中国が「製造2025」発表時に提示した目標の86%を達成したと評価した。このような成果の背景には、14億人の人口を基盤とした堅固な内需市場、当局の莫大な補助金支給などがある。だが、中国企業間の激しい生存競争と革新があったほか、当局も「選択と集中」戦略に基づき、戦略産業に大規模な投資を行ったことを忘れてはならない。そうして10年間、中国は目標通り「メイド・イン・チャイナ」の固定観念を変えた。韓国も15年、8大スマート製造技術をリードするとして「製造業革新3.0」戦略を打ち出した。しかし、国民の大多数はそのような政策があったことすらよく覚えていない。最近、半導体強国の地位が薄れつつある韓国の現実は、中国の現状とは明らかに違いがある。中国で10年間活動した韓国の科学技術専門家は、ディープシーク熱風の後、中国に注がれている韓国の関心に「驚きと戸惑い」を漏らした。彼は、数年前から中国の先端技術の発展速度が凄まじく、中国との協力や競争を怠ってはならないと主張したが、「オオカミ少年」扱いされたという。政界も、一足遅れて声を上げている。6日に訪中した禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、北京特派員団と会って、「中国に対する韓国の技術優位性を維持できなければ、非常に厳しい状況になる可能性がある」と話した。しかし、与野党と政府の国政協議体は、まだ半導体特別法と追加更正予算案の成立すら合意できていない。このような中、韓国内の中国に対する嫌悪感情は日々高まっている。中国との歴史的葛藤、異なる政治体制から来る拒否感も依然としてある。しかし、中国の先端技術の発展ぶりを冷静に分析し、協力すべき分野は積極的に協力しなければならない。また、最近、低迷していた先端技術開発と人材育成に疎かだった韓国内部の問題にも目を向ける必要がある。ディープシークの登場が、中国を見つめる韓国の視線にも「スプートニク・モーメント」となることを期待する。
한국어
「『メイド・イン・チャイナ』ではなく、『メイド・イン・コリア』だからです」
昨年末、ソウルの明洞(ミョンドン)に立ち寄った際、スーツケースの値段が高いと言って立ち去ろうとする外国人客を引き止めるために、商人がこんなことを言っていた。「韓国製は中国製より高いが、品質は良い」という意味だろう。
韓国を含め、世界各国では長い間、「メイド・イン・チャイナ」の製品を安いが品質は劣る商品として扱ってきた。中国経済が数十年間、「品質」よりも「安さ」を武器に高速成長したことも否定できない。しかし、「低コスト高効率」で世界を驚かせた中国の人工知能(AI)スタートアップ「ディープシーク」の躍進は、もはやこのような固定観念を覆す。
中国は2015年に「製造2025」政策を発表した。25年までに製造業大国の仲間入りを果たし、45年には製造業大国の中でも最前線に入るという野心的な計画だった。
この計画は着実に進んでいる。18年、中国最大の電気自動車バッテリーメーカーであるCATLは、日本のパナソニックを抜いて世界シェア1位になった。中国商用航空機(COMAC)は23年に「C919」の初の商業運航に乗り出し、米ボーイングと欧州エアバスが二分してきた国際民間旅客機市場に挑戦状を叩きつけた。中国の電気自動車メーカー、BYDも昨年、米テスラを抜いて世界で最も多く電気自動車を販売した。先月にはディープシークが先端情報技術(IT)分野における中国の能力を世界に誇示した。香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは昨年8月の時点で、中国が「製造2025」発表時に提示した目標の86%を達成したと評価した。
このような成果の背景には、14億人の人口を基盤とした堅固な内需市場、当局の莫大な補助金支給などがある。だが、中国企業間の激しい生存競争と革新があったほか、当局も「選択と集中」戦略に基づき、戦略産業に大規模な投資を行ったことを忘れてはならない。そうして10年間、中国は目標通り「メイド・イン・チャイナ」の固定観念を変えた。
韓国も15年、8大スマート製造技術をリードするとして「製造業革新3.0」戦略を打ち出した。しかし、国民の大多数はそのような政策があったことすらよく覚えていない。最近、半導体強国の地位が薄れつつある韓国の現実は、中国の現状とは明らかに違いがある。
中国で10年間活動した韓国の科学技術専門家は、ディープシーク熱風の後、中国に注がれている韓国の関心に「驚きと戸惑い」を漏らした。彼は、数年前から中国の先端技術の発展速度が凄まじく、中国との協力や競争を怠ってはならないと主張したが、「オオカミ少年」扱いされたという。
政界も、一足遅れて声を上げている。6日に訪中した禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、北京特派員団と会って、「中国に対する韓国の技術優位性を維持できなければ、非常に厳しい状況になる可能性がある」と話した。しかし、与野党と政府の国政協議体は、まだ半導体特別法と追加更正予算案の成立すら合意できていない。
このような中、韓国内の中国に対する嫌悪感情は日々高まっている。中国との歴史的葛藤、異なる政治体制から来る拒否感も依然としてある。
しかし、中国の先端技術の発展ぶりを冷静に分析し、協力すべき分野は積極的に協力しなければならない。また、最近、低迷していた先端技術開発と人材育成に疎かだった韓国内部の問題にも目を向ける必要がある。ディープシークの登場が、中国を見つめる韓国の視線にも「スプートニク・モーメント」となることを期待する。
アクセスランキング