「私が秘密の話を一つしてあげようか?私たちが出会ったのは奇跡だよ」。ソ・ユミン監督の映画「言えない秘密」で、ジョンア(ウォン・ジナ)はユジュン(ト・ギョンス)の耳にささやく。それは、もう恋に落ちた恋人たちが交わす平凡な冗談のように聞こえる。実際に「奇跡」という言葉は、慣用語のように使われるほど日常になっている。「常識を外れた奇異で驚くべきこと」という意味だが、私たちはちょっとした予想外のことにもこの単語をつかっているのではないか。それだけ実際、奇跡のようなことはなかなか起こらない世の中だ。
だが、ただ冗談のようにさっと通り過ぎてしまったこの台詞の中の「奇跡」という言葉は、映画を全て見て出てくる観客たちには重い余韻として感じられる。それは本当に奇跡だからだ。どうしても会えない2人がお互いに対する愛でその障壁を乗り越え、結局は会うことになる「奇跡」を話していたためだ。それでジョンアがどうしても「言えなかった」秘密が、後で奇跡のようなことだったということを知った観客は胸が詰まる。
「言えない秘密」は、2008年に製作された同名の台湾映画が原作だ。トップスターの周傑倫が監督して演じ、アジア圏で大きな人気を集めた作品をリメークした。やはり韓国国内でリメークされた「時をかける愛」「聴説」のような台湾メロに熱狂するファンなら喜ばしい作品だ。初々しい青春たちの胸ときめくロマンスに、ピアノという感性を刺激する音楽、そして奇跡のようなファンタジーが加わり、劇的で変わったロマンスを描き出す。
青春男女のファンタジーロマンスを借りて、この作品はこの瞬間、一緒にいる誰かと毎日が実は奇跡のようなことだという話をしている。あまりにも日常的で大切さを忘れていた人たちが、私たちの周辺にはあふれている。今年は、もっと多くの奇跡のような出会いを経験し、感じることができるように。
「私たちが出会ったのは奇跡だ」(ソ・ユミンの「言えない秘密」)
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