
米国の首都ワシントン近郊のレーガン・ナショナル空港近くで起きたアメリカン航空旅客機墜落事故の犠牲者リストに韓国系フィギュアスケートの有望株2人が含まれ、国際フィギュア界が悲しみに包まれた。マサチューセッツ州ボストン近くのノーウッドにある「ボストン・スケートクラブ」に所属するスペンサー・レインさん(16)とジナ・ハンさん(13)。2人は事故機に同乗し、同じように死亡したロシア出身で1994年世界フィギュア選手権のペア部門で優勝したのエフゲニア・シシコワとバディム・ナウモフ夫婦の教え子だ。
先月30日(現地時間)、CBS放送はボストンスケートクラブの関係者の話として、「2人の選手がそれぞれの母親と一緒に旅客機に乗って帰る途中、事故に遭った」と伝えた。両選手は事故機の寄着地である中部カンザス州ウィチタで先月20~26日に開かれたフィギュアの有望株を対象にしたトレーニングキャンプに参加した。
米紙ニューヨークタイムズによると、幼い頃に養子縁組されたレインさんは昨年11月、東部地域のフィギュア有望株が競う「2025USイースタン・セクショナルズ」で男子シングルで優勝するほど頭角を現した。レインさんは13歳だった2022年に北京五輪の男子シングル優勝者である中国系米国人ネイサン・チェン選手を見てフィギュアスケートに魅了された。幼年期からフィギュアスケートを始めた仲間たちよりはるかに遅く始めたが、速いペースで技量が向上した。2026年に開催されるイタリアのミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪に米国代表として出場すると見込まれていた。レインさんは今回の飛行直前にインスタグラムに事故機に搭乗する写真を投稿して家に帰るとのメッセージを伝えた。韓国系であることを強調するかのように、インスタグラムのアカウントにも太極旗と星条旗を並べて配置した。
ハンさんも14歳未満の「ノービスグループ」で頭角を現した有望株だった。ハンさんは「2025USイースタン・セクショナルス」の女子シングルで4位となり注目を集めた。先輩フィギュア選手のミーシャ・ミトロファノフはピープル誌に「ハンさんは私が13歳の時よりはるかに優秀な技量を持っていた」と哀悼の意を表した。ハンさんの母チョンさんも韓国系だった。
国内フィギュア界も、死亡したフィギュアスケート選手を追悼した。金載烈(キム・ジェヨル)国際スケート連盟(ISU)会長は先月30日、声明を通じて「フィギュア界は悲嘆に暮れた。恐ろしい事故で命を失った家族や友人に心からの哀悼の意を表する」と話した。また、同日エストニアの首都タリンで開かれたISU欧州フィギュアスケート選手権では、選手たちと観衆が今回の事故の犠牲者たちに黙祷をささげた。
林賢錫 lhs@donga.com