小型モジュール炉(SMR)分野が、韓米間の主要エネルギー協力分野として浮上している。韓国の原発供給網と施工能力、米国の設計技術が結合できるため、すでに韓米企業間の協力と投資が多数進められている。
原発業界によると10日、斗山(トゥサン)エナビリティは最近、マイクロソフト(MS)の創業者ビル・ゲイツ氏が設立した米国のSMR開発会社「テラパワー」と主要機材に対する供給契約を締結した。斗山エナビリティは、テラパワーSMR向けの機材製作の可能性を検討し、設計支援を行う。今年からは原子炉保護容器、原子炉支持構造物、炉心胴体構造物の3種類の機材製作も開始する。HD現代(ヒョンデ)もテラパワーとSMRの中核設備の一つである原子炉容器の開発事業契約を締結した。
現代建設は2021年に米SMR開発会社であるホルテックインターナショナルとの協力を開始した。現代建設はホルテックSMRの設計・購入・施工の独占権を確保している。現代建設とホルテックは、米ミシガン州のパリセード原子力発電所でSMRクラスター構築事業を共同で進めている。三星(サムスン)物産の建設部門は2021年2000万ドル、2022年5000万ドルを米SMR会社のニュースケールパワーに投資した。両社はこの投資を通じて、世界SMR事業に共同進出する協力関係を構築し、米アイダホ州、ルーマニアなどで進められるSMR事業に戦略的パートナー関係を結んだ。DLE&Cは、米SMR開発会社のXエナジー(X―energy)に2000万ドルを投資した。両社は独自のSMR炉「Xe-100」のプラント運営∙メンテナンス技術を共同で開発している。
最近、SMRと関連して韓米企業間の協力が大幅に増えているのは、米企業が先端産業拡大のための電力需要の代替案としてSMRを選択しているためだ。昨年12月、ビックテック企業のアマゾンとメタは、データセンターの運営に必要な電力をSMRを通じて解決することにし、建設計画を立てた。ドナルド・トランプ次期大統領も候補時代からSMRを「クリーンエネルギー源」とみなし、原発の許認可手続きを簡素化すると宣言するなど規制緩和を予告した。
問題は、米国の原発設計技術力は世界最高水準だが、1980年代半ばのスリーマイル島原発事故以降、今まで新規原発を建設せず、建設能力が大幅に低下していることだ。一方、韓国は1978年の古里(ゴリ)原発を皮切りに、シンハンウル1~4号機など最近まで新規原発を建設しており、原発施工分野で世界最高水準と評価されている。
国際エネルギー機関(IEA)によると、2018年基準で韓国原発(APR1400)の1kW(キロワット)当たりの建設単価は3717ドルで、米国(1万1638ドル)やフランス(7809ドル)の30~50%水準にとどまる。ソウル科学技術大学未来エネルギー融合学科のユ・スンフン教授は「韓国の原発施工能力は、他国に比べて建設費が少なく工事期間が短いのが強みだ」とし、「このような強みはSMR分野でも同じで、米国が原発拡大政策を取ると韓国との協力はさらに強化されるだろう」と話した。
キム・ヒョンミン記者 ピョン・ジョングク記者 kalssam35@donga.com