イスラエルとパレスチナ武装組織ハマスの停戦交渉が難航している中、3~5日、ガザ地区ではイスラエル軍の空爆で200人以上のパレスチナ人が死亡したという。交渉過程で、イスラエルとハマスはそれぞれ人質解放と空爆停止を休戦条件として掲げているが、むしろ人命被害は大きくなる「休戦交渉のパラドックス」が生じている。
5日、アルジャジーラ放送によると、ガザ保健省は同日、イスラエル軍の空爆でパレスチナ人88人が死亡し、208人が負傷したと発表した。ガザ保健省は、3日と4日にも77人と59人のパレスチナ人がイスラエル軍の空爆で死亡したと明らかにした。
アルジャジーラ放送は、「空爆の犠牲者の多くが女性と子ども」とガザ保健省を引用して伝えた。一方、イスラエル軍は、ガザ地区内のハマス隊員がいた100ヵ所を攻撃したという立場だ。特に、イスラエル軍の空爆は、ガザ地区の中北部に集中したという。
イスラエルとハマスが停戦交渉を再開した中、イスラエルの今回の空爆は行われた。双方の停戦交渉は3日からカタールの首都ドーハで始まったが、両者の立場の相違が大きく、明確な進展がない状態だ。特にイスラエル側は、2023年10月7日にハマスが行った大規模な本土攻撃の際に拉致された人質の解放を、ハマスはガザ地区に対するイスラエル軍の空爆の停止を要求した。
ハマス関係者は5日、ロイター通信に、「イスラエル側の要請を受け入れ、停戦交渉の第1段階として人質34人を解放する方針」と明らかにした。ただし、ハマスは現在、人質の生存の有無を把握できていないことを理由に、1週間、送還前の確認手続きを進めるとも伝えた。イスラエル軍の空爆が先に停止されなければならないというメッセージを迂回的に投げかけたとみられる。
これに対し、イスラエル政府は声明を出し、ハマスから帰還対象者の名簿を受け取っていないと反論した。また、イスラエルは、ガザ地区でハマスを事実上武装解除させた後、国際平和維持軍を駐留させる計画を立てたという。
ガザ地区では23年10月7日以降、イスラエル側が連日大規模な報復空爆を行う形で戦争が続いている。イスラエル当局は、人質96人のうち62人がガザ地区で生存していると把握している。ガザ保健省は、戦争勃発後、パレスチナ人4万5千人が死亡したと明らかにした。
林賢錫 lhs@donga.com