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弾劾政局の長期化で金融市場を襲った不確実性

弾劾政局の長期化で金融市場を襲った不確実性

Posted December. 11, 2024 08:33,   

Updated December. 11, 2024 08:33

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数日間辛うじて善戦したものの、相次ぐ衝撃には勝てなかった。韓国金融市場の話だ。3日深夜に起きた尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の突然の非常戒厳宣言にもかかわらず、金融市場は4~6日、うまく持ちこたえた。動揺したが、それでも「ショック」のレベルには至らなかった。経済・金融当局が緊迫に動き、50兆ウォン相当の流動性措置を出した功績が大きかった。海外でもこのような素早い対処に対する前向きな反応が出た。ブルームバーグ通信のコラムニスト、ダニエル・モスは4日(現地時間)、「資本主義が韓国民主主義の隠れた英雄(Unsung Hero)」というコラムで、「当局者らが騒がずに、システムをバックストップ(backstop・防御)した」と評した。

しかし、非常戒厳までは持ちこたえた金融市場も、国会での弾劾訴追案の採決不成立による弾劾政局の長期化には動揺している。金融市場が最も嫌うのは不確実性だ。7日の弾劾採決を控え、市場専門家らは、政治的見解とは関係なく、「金融市場のためには、弾劾可決がむしろ良いかもしれない」と話したのもそのためだった。弾劾はすでに「経験した道」であり、弾劾で方向性が決まることが不確実性を除去してくれると見たのだ。しかし弾劾は不発に終わり、今後大統領の権限はどうなるのか、政府運営の「鍵」は誰が握っていくのかという不確実性が幾重にも積み重なっている。その上、いつまでこのような状況が続くか断言できない状態となっている。

金融市場としては、最悪のシナリオに直面することになっのだ。一部では、過去を例に挙げ、波紋はまもなく収まるだろうと努めて慰めたりもする。2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領の弾劾と2016年12月~2017年3月の朴槿恵(パク・グンへ)元大統領の弾劾など、過去の政治的混乱は金融市場や成長率に有意義な影響を及ぼさなかったという。しかし、2004年は5%台の成長率を維持していた時であり、朴槿恵元大統領の弾劾当時も半導体サイクルの好調を享受した時だ。

一方、2024年の現在は、韓国経済の体力自体が大きく落ちている。韓国経済を支えていた輸出が揺れており、トランプ政権の発足で一層強化される米国の保護貿易主義も悪材料と評価される。非常戒厳を皮切りにした政治的嵐が押し寄せる前から、韓国経済は苦しんでいたという話だ。グローバル投資銀行(IB)が、声を一つにして事態が長期化すれば、韓国経済に及ぼす否定的影響が大きいと口をそろえる理由でもある。

政治的不確実性がもたらした経済的波紋を考慮し、今からでも与野党が一致協力して今後の具体的なタイムラインとロードマップを見せれば良いが、その可能性は小さく見える。結局、経済・金融当局が事態長期化の可能性に合わせて、さらに機敏に動いてくれることを期待するほかはない。それでも、私たちには危機を克服したノウハウがある。グローバル金融危機や新型コロナ事態などにも韓国金融市場は揺らいだが、倒れることはなかった。政治リーダーシップが失われたこの時、経済分野のリーダーシップでもしっかりと耐えなければならない。そうしてこそ不確実性の高波を乗り越え、再び持ち直りを図ることができるだろう。