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お酒を好まない韓江氏、編集者と1杯のワインでお祝い

お酒を好まない韓江氏、編集者と1杯のワインでお祝い

Posted December. 10, 2024 08:27,   

Updated December. 10, 2024 08:27


8日(現地時間)午後1時頃、スウェーデン・ストックホルム市内のフランス料理店。小ぢんまりとしたレストランの前に、警察の警護者とオートバイを前後に連れたボルボXC90が止まった。車から降りて警護員の付き添いを受けながらレストランに入ったのは小説家の韓江(ハン・ガン)氏(54)。韓氏の代表作『別れを告げない』、『すべての、白いものたちの』、『菜食主義者』、『少年が来る』を出版したスウェーデンの出版社ナトゥール・オーク・クルトゥールが、ノーベル文学賞の受賞を祝うために韓氏と各国の編集者を招待した非公開の昼食会だった。

複数の出席者の話によると、午後4時に開店するレストランを貸し切り、客を入れずに約2時間にわたって食事が行われたという。昼食会には、スウェーデンをはじめ、韓国、ノルウェー、ブラジル、イギリス、イタリアなど各国から約10人の編集者が集まり、韓氏と席を共にした。韓国からは韓氏の本を主に出版している文学トンネ、文学と知性社、創批の編集者が出席した。韓氏の作品の海外出版を担当するエージェンシーRCWの関係者も参加した。

韓氏の代表作『菜食主義者』を反映するかのように、昼食会のメニューはベジタリアン料理で構成された。豆の入った野菜スープにナスを豆腐のように揚げたビーガン用ステーキ、チョコレートムースがコースで提供された。『菜食主義者』は現在、スウェーデンの大型書店で文学分野のベストセラー1位を記録している。韓氏は普段からベジタリアン料理を好むという。韓氏は今年10月の受賞者選定直後、ノーベル財団関係者に「私はお酒を飲まない。だから、今夜は息子とお茶を飲みながら静かに祝いたい」と話したが、この日はワインを軽く1杯ほど飲んだという。

中央のヘッドテーブルに座った韓氏は、外国人編集者に囲まれ、彼らと英語で話を交わした。昼食会に参加した韓国の編集者は、「韓氏は1日に2、3の公式日程をこなしているが、あまり疲れた様子は見られなかった」とし、「外国人編集者に囲まれて韓国の編集者と話す時間がなかった。韓氏が途中で『話がうまくできなくてどうしよう』と声をかけてきた」と話した。

韓氏は昼食会を終えた後、午後7時からストックホルム・コンサートホールで開かれた「ノーベル賞コンサート」に参加した。ノーベル賞コンサートは、毎年ノーベル賞受賞者を記念するノーベルウィークの公式プログラム。韓氏は2階のスウェーデン王室席の左側に座った。長い黒のワンピースを着た韓氏は、周囲の人々と談笑しながら公演を待った。スウェーデンのカール16世グスタフ国王とシルヴィア王妃が入場すると、客席に座っていた全員が立ち上がった。韓氏も席を立ち、両手を合わせて国王夫妻を迎えた。

公演は、チェコの指揮者ペトル・ポペルカの指揮で、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団がラフマニノフの「シンフォニック・ダンス」などを演奏した。そして、スウェーデン出身の世界的なソプラノ歌手マリン・ビストレームが、リヒャルト・シュトラウスのオペラ「サロメ」のアリアを熱唱した。コンサートが行われたストックホルム・コンサートホールは、10日にノーベル文学賞授賞式が行われる場所でもある。


ストックホルム=キム・ソミン記者 somin@donga.com