
昨日発表された韓国ギャラップの世論調査によると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の職務遂行に対する肯定的な評価は21%、否定的な評価は70%だった。4月10日の総選挙以後、2ヵ月間足踏み状態だった肯定率と否定率がそれぞれ3%ポイント下落または上昇し、尹大統領就任以来、それぞれ最低値と最高値を記録した。否定的に評価する理由としては「経済・民生・物価」(15%)が最も多く、続いて「意思疎通不足」(9%)、「全般的にできない」(7%)、「拒否権行使」、「独断的・一方的」、「外交」(それぞれ6%)などが挙げられた。
総選挙から50日が過ぎても、大統領の国政支持率が回復せず、20%台を割り込む水準に墜落したのは、政権与党として歴代最悪の惨敗を喫した後も、何の変化もない大統領に対する失望感を反映したものとみられる。尹大統領は今月初め、就任2周年を迎え、民生・疎通のための政策を増やし、国会との協力も強化すると述べたが、何事もなかったかのように変わらない昨今の姿に、国民世論は変化に対する一縷の期待さえ諦めたかのように一層冷ややかになっている。
総選挙惨敗後、尹大統領は「私から先に変わる」と約束したが、一部の言語とスタイル以外に変化はなかった。大統領室と内閣の人事刷新の約束も、秘書室長など一部参謀の入れ替えにとどまり、それ以上の改編は議論さえされていない。むしろ国民の多数が同意した海兵隊チェ上等兵特検法に拒否権を行使する非妥協、そうしておきながらいわゆる「激怒説」には口を閉ざす不通、金健熙 (キム・ゴンヒ)大統領夫人関連の疑惑捜査を巡り検察を牽制するような態度などで失望感を与えた。
第22代国会開始日の一昨日の夜に開かれた与党「国民の力」の議員ワークショップの晩餐の風景は、総選挙の惨敗を忘れた大統領と与党の現状を如実に示している。尹大統領は「もう過ぎ去ったことはすべて忘れて一つになろう」とビールを注ぎ込んだ。非常対策委員長は「108議席は非常に大きな数字であり、我々の後ろには大統領がいる」と述べた。院内代表は「一丸となって」と音頭を取り、議員たちは「団結しよう」と叫んだ。選挙敗北がいつあったかのように、危機意識も消えた。議会少数派に転落した立場なのに、むしろ刷新を叫ぶ内部少数の声を抑圧している雰囲気だ。
今、大統領と与党は巨大野党の失策だけを待っているようだ。与党と政府関係の再確立や野党との協力といった政治を立て直すための努力は全く見られない。その間、国会では圧倒的多数の野党の時間が始まった。妥協のない対決の政治は、直ちに国政の支障につながり、国民生活を厳しくする。だが、与党はいつものんびりしている。尹大統領が言ったように、自分たちが先に変わらなければならない。その変化を通じて国政の動力を回復しなければ、 すべてが行き詰まったままになるだろう。