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人間の多様性

Posted April. 15, 2024 08:48,   

Updated April. 15, 2024 08:54

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「いかなる生き物も、両足で歩く人間よりも大きな多様性を見せることはできない」(ピーター・ドラッカーの自伝)

現代経営学の創始者と評価されるピーター・ドラッカーは、1939年に出版した「経済人の終り」を始め、経営者や経営、企業など資本主義のコアを盛り込んだ数多くの本を残した。この中で、個別の人間に対する探求を集大成した本が「ピーター・ドラッカー自伝」だ。ドラッカーはこの本で、彼の人生を経た人々を紹介する。目次のみ見ても興味深い。「人間に対する礼儀を悟らせてくれたおばあさん」、「教育の道を提示したオールドミス姉妹の先生」、「戦争で生き残った社会主義者の告白」など。

ドラッカーは本の中で、「私はいつも、概念よりは多様な人間にもっと興味を感じた」と話した。彼が会った人物たちは、ドラッカーが提示した数多くの概念の例と実証として活用された。

会社は、多様な人が集まって作った無形の集合体だ。見えない規則と約束によって目的を達成するように一体化されているが、その中には個別の存在が集まっている。そのうち何人かは、業務を終えて仕事帰りにダンスやドラムを習いに塾に通い、絵を勉強する。このように個々人の隠れた欲望と資質は、時々組織内で創意的で独創的なアイディアで実現される。人間は画一的ではなく、個別的存在であることを認める瞬間、他人を理解するようになる。理解すれば分かるようになり、数字や統計が解けない解答を探すことができる。

多くの企業が最近、個人化マーケティングを試みている。個々人の特性と好みを分けて分析し、適合型ターゲットマーケティングを行っている。個別の人間を観察し、その心を読むのがマーケティングの基本だと考えるためだ。パーソナルカラー、MBTIなど人間探求に対する分類法があふれ出る理由だ。人工知能(AI)が話題である最近、未来のAIは人間のように個別的存在になれるだろうか。ピーター・ドラッカーの言葉に答えがあるようだ。