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紅海とスエズ

Posted January. 23, 2024 08:30,   

Updated January. 23, 2024 08:30

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イエメンの反政府勢力フーシ派の脅威に加え、イランの駆逐艦まで紅海に進出し、世界の物流が非常事態となった。欧州には厳寒が訪れ、欧州経済とウクライナ戦線はさらに冷え込んだ。米国はインフレを心配するほど経済が好況だが、軍事力と意志の限界を露呈し、世界各地で恥をかかされている。

米国の屈辱がいつまで続くかはわからない。米大統領選挙の結果が答えを与えるわけでもない。大統領選の公約とは関係なく、状況によって米国の対応は変わる可能性がある。

紅海でフーシ派の勢いが衰えないのを見て、ふとこんな疑問が浮かぶ。エジプトはなぜじっとしているのか。スエズを利用する船舶が減り、エジプトは莫大な財政損失を被っている。エジプトの今年の予算が約87兆4千億ウォンだが、このうちスエズ運河の収入が約11兆ウォンだ。紅海の事態で運河収入の8割が減少したという。すでに深刻な国家負債に巨額の利子で債務不履行寸前の状況で、フーシ派はエジプトに対し真綿で首を締めている。

エジプトはなぜ黙っているのか。エジプトこそ中東の軍事大国ではないか。エジプト軍はイエメンに痛い思い出がある。1960年代、ナセル大統領は、なんと7万人の兵力を派遣してイエメン内戦に介入したが、失敗に終わった。作戦は成功せず、これが67年の6日戦争でエジプト軍が大敗する原因の一つとなった。

半世紀前のことだが、当時も今も変わらない。むしろフーシ派は強くなっている。エジプトも困惑している。介入すれば軍事費支出に堪えられず、介入しなければ収入の減少を解消できない。フーシ派はエジプトのこうした事情も計算しただろう。

60年代にエジプトはソ連の支援を受け、米国はエジプトに経済制裁を加えた。今、エジプトが介入すると、ロシアが怒り、むろんそのようなことは起こらないだろうが、米国が感謝して後押しする状況だ。

私たちは今、冷酷に変化する世界を目の当たりにしている。韓国の海と領空を守るだけでは、私たちの利益と生存権を守ることはできない。弱い者の正義は打ち捨てられ、強い者の正義さえも嘲笑されている。私たちは平和な世界を望んでいるが、すでに言葉では平和を守れない段階に突入しつつある。