Go to contents

北朝鮮の海岸砲挑発、「武力衝突」に追い込む策略を警戒しなければ

北朝鮮の海岸砲挑発、「武力衝突」に追い込む策略を警戒しなければ

Posted January. 06, 2024 08:26,   

Updated January. 06, 2024 08:26

한국어

北朝鮮軍が5日午前、西海(ソへ・黄海)上の白翎島(ペクリョンド)と延坪島(ヨンピョンド)の北方付近で海岸砲200数発を発射した。北朝鮮が発射した砲弾は、北方限界線(NLL)を越えなかったが、2018年の「南北軍事合意」により砲撃と機動訓練が禁止された海上緩衝区域に落ちた。昨年11月、南北軍事合意の全面破棄を宣言した後、海岸砲の砲門を開放した北朝鮮が、実際に砲撃まで踏み切ったのだ。韓国軍は延坪島と白翎島の住民を緊急避難させ、一部船舶の運行も統制した。さらに、両島の海兵部隊は自走砲と戦車砲を動員して挑発に対応する海上射撃訓練を実施した。

北朝鮮の西海での海岸砲射撃は、新年早々、南北間の軍事的緊張を一段と高めようとする意図的な挑発行為に相違ない。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は昨年末、朝鮮労働党総会で、南北関係を「敵対的な2つの国家関係」と規定し、「高圧的で攻勢的な超強硬対応」を指示した。さらに、軍の主要指揮官を集めて、「敵の無謀な挑発策動によっていつでも武力衝突が起こりかねないことを既定の事実とし、軍事的準備態勢を完全に整えよ」と指示した。

今後、武力デモと局地的挑発の間を行き来する危険な軍事的冒険がさらに活発化する可能性が高い。北朝鮮軍は、南北軍事合意破棄直後から非武装地帯(DMZ)内に兵力と重火器を投入し、最前方の監視所の復元に入り、最近では南北交流・協力の象徴である京義(キョンウィソン)線陸路付近にまで地雷を埋めた。監視所の復元や海岸砲の射撃など陸上・海上挑発に続き、空中挑発を行う可能性もある。実際、北朝鮮は最近、「セッピョル4」のような新型無人機を平壌(ピョンヤン)上空に大量に飛ばし、無人機を利用した対南潜入訓練を行っているという。

正恩氏の「強対強の正面勝負対敵闘争の原則」に基づく北朝鮮軍の危険千万な挑発は、韓半島を一触即発の危機に追い込む可能性がある。特に、「武力衝突の可能性を既定の事実とせよ」という正恩氏の指示には、4月の総選挙を控えて挑発のレベルをさらに引き上げようという狙いが明らかに含まれている。韓国軍と政府はしっかり備えなければならない。軍事挑発に断固として対応することはもちろんだ。ただ、北朝鮮の「対立煽動」に巻き込まれず、危機を管理する柔軟な対処能力も必要だ。