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サウジの政府系ファンドの投資額、シンガポールを抜いてアジア最大に

サウジの政府系ファンドの投資額、シンガポールを抜いてアジア最大に

Posted January. 03, 2024 08:14,   

Updated January. 03, 2024 08:14

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ブルームバーグなどは1日、昨年の世界の政府系ファンド投資額の約4分の1をサウジアラビアが占めたと報じた。昨年、米国を含む西欧主要国が銀行危機などで投資を削減し、世界の国営投資機関の投資総額も2022年に比べて20%減少したが、サウジは同期間中にむしろ投資を52%も増やし「オイルマネー」の威力を誇示した。これに対して反対派への弾圧で失墜した事実上の最高権力者であるムハンマド・ビン・サルマーン皇太子のイメージを払拭するのが狙いではないかという批判も少なくない。

政府系ファンド専門の調査会社「グローバル・ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)」の報告書によると、昨年、サウジ政府系ファンドの公共投資基金(PIF)は前年比52%増の315億ドル(約40兆8200億ウォン)の投資契約を締結した。これは昨年の世界中の政府系ファンドの投資額1238億ドルの4分の1に相当する。サウジはシンガポールを抜いてアジア最大の政府系ファンド保有国となった。

PIFは特にサッカーやゴルフ、ゲームなどのスポーツ分野で攻撃的な投資を行っている。まず、有名サッカー選手クリスティアーノ・ロナウドが所属するアルナスルを含むサウジの4大サッカーチームを買収した。PIFが運営するLIVゴルフツアーを米プロゴルフ(PGA)と統合するという計画も発表し、ゴルフ界を激震させた。当初はLIVに批判的だったスタープレイヤーのヨン・ラムまで昨年末LIVへの移籍を明らかにした。正確な移籍金は公開されなかったが、4億5000万ドルと報じられている。

PIFは米ゲーム会社のスコプリーも49億ドルで買収した。サウジはすでに有名なゲーム会社であるアクティビジョンブリザード、エレクトロニック・アーツ、テイクツーなどに投資し、総額81億ドルの株式も保有している。世界のゲームハブになろうとしているのだ。

このほか、英スタンダードチャータードの航空機レンタル事業部(36億ドル)、自国の鉄鋼メーカーのハディード(33億ドル)なども買収した。PIFはこれを基に独自の航空会社や電気自動車ブランドを立ち上げる計画だ。

SWF側は「サウジが『ビジョン2030』達成のために投資先を多角化している」と分析した。ムハンマド皇太子は2030年までに石油に偏った産業構造を多角化するとし、これを陣頭指揮している。


イ・チョンア記者 clearlee@donga.com