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金正恩氏「韓国に波紋を起こす案を準備せよ」、北朝鮮がJSAで自動小銃携帯など再武装

金正恩氏「韓国に波紋を起こす案を準備せよ」、北朝鮮がJSAで自動小銃携帯など再武装

Posted December. 29, 2023 08:14,   

Updated December. 29, 2023 08:14

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「来年初めに韓国に大きな波紋を起こす案を準備せよ」

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記が最近、側近にこのように指示したと、国家情報院(国情院)が28日、明らかにした。国情院は、このような内容を北朝鮮のヒューミント(人的情報)やシギント(通信傍受)など複数の諜報を通じて確認したと伝えた。

来年4月の国会議員総選挙前に北朝鮮の挑発の可能性があると見ている国情院は、7回目の核実験の可能性も排除していない。特に、北朝鮮軍は最近、板門店(パンムンジョム)の共同警備区域(JSA)でAK47などの自動小銃を携帯し、監視所を復元する事実上の「JSA全面再武装化」に突入した。このため軍当局は、前方地域での追加挑発の可能性にも注視している。

● 国情院、「金正恩氏の指示」諜報、異例にもメディア公開

国情院は同日、A4用紙1ページ半の報道資料で、「北朝鮮が韓国の主要政治日程を控えた来年初めに軍事的挑発を強行する可能性が高い」という分析結果を発表した。来年4月の韓国の総選挙、11月の米国の大統領選などが続く時期を「情勢流動期」と見て、韓国に対して挑発を強行する可能性があるということだ。

国情院が機密に該当する諜報内容をメディアに公開したのは異例のこと。これと関連し、政府消息筋は、「韓国当局が北朝鮮の内部の動きを把握していることを北朝鮮指導部側に分からせ、重大挑発を自制させる『警告メッセージ』」と強調した。また、来年1月1日から国情院の対共捜査権が警察に移り、捜査の空白が懸念されるため、北朝鮮の脅威に対する警戒心を高める狙いもあるとみられる。

北朝鮮は、2016年の第20代総選挙(4月13日)の前に4回目の核実験、無人機挑発、ミサイル「テポドン」の発射などを行った。20年の第21代総選挙を1ヵ月後に控えた3月には、東海(トンへ・日本海)上に短距離弾道ミサイルと推定される発射体を4回発射した。

北朝鮮が「対南挑発作戦」を指揮していた強硬派の軍幹部3人を今年に入って高官に復帰させたことも有力な挑発の兆候と見ることができると、国情院は判断している。正恩氏は10年の哨戒艦「天安(チョンアン)」爆破事件を主導した英哲(キム・ヨンチョル)元労働党対南書記を今年6月に統一戦線部顧問に復帰させた。15年の「DMZ(非武装地帯)地雷挑発」を指揮した李永吉(リ・ヨンギル)氏と朴正天(パク・ジョンチョン)氏は、今年8月にそれぞれ軍作戦を総括する総参謀長と軍政指導部長に任命された。

● 北朝鮮、JSAで自動小銃の携帯など「全面再武装」

正恩氏が指示した「来年初めに韓国に大きな波紋を起こす案」として、まず核実験の可能性が挙げられる。北朝鮮の新たな軽水炉では最近排水が観測されるなど、活動の兆候が捉えられた。韓国政府は、咸鏡北道(ハムギョンプクト)に位置する豊渓里(プンゲリ)核実験場についても、核施設の復元が終わったため、いつでも核実験が可能な状態にあると見ている。政府消息筋は、「北朝鮮が来年の春にも核実験のボタンを押す可能性がある」との見方を示した。来年4月の総選挙を狙った核実験の可能性についても、「注目を集めるためにそうする(核実験を行う)可能性を排除していない」と付け加えた。

韓米は、JSAをはじめとする前方付近で軍事的緊張が最高潮に達したと見て、北朝鮮の軍事行動の可能性など動向を注視している。北朝鮮軍は、JSAでAK47などの自動小銃を携帯し、監視所を復元するなど、緊張を高めている。北朝鮮は先月23日、国防省名義で18年の「南北軍事合意」の破棄を宣言し、その後、JSA内の北朝鮮軍兵士が拳銃を携帯していた。「南北軍事合意」で非武装化したJSAを合意前の状態に戻す「全面再武装」の手順に入ったのだ。


コ・ドイェ記者 シン・ギュジン記者 yea@donga.com