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米原潜と米本土を狙った北朝鮮の挑発、韓米は「一体型の核の傘」を急がなければ

米原潜と米本土を狙った北朝鮮の挑発、韓米は「一体型の核の傘」を急がなければ

Posted December. 19, 2023 08:48,   

Updated December. 19, 2023 08:48

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北朝鮮が18日午前、固体燃料を使用した「火星(ファソン)18」と推定される大陸間弾道ミサイル(ICBM)を東海(トンへ・日本海)に向けて発射した。高角で発射されたこのミサイルは高度6千キロ以上まで上昇し、約1千キロ飛翔した。通常の角度で発射した場合、1万5千キロ以上飛翔し、米本土全域が攻撃圏に入る射程だ。これに先立ち、北朝鮮は前日夜、短距離弾道ミサイル(SRBM)を発射し、570キロ飛翔した。今年に入って2日連続の弾道ミサイル挑発は初めてだ。

北朝鮮の弾道ミサイル連続挑発は、強化される韓米の対北朝鮮拡大抑止体制に対する反発であり、対応力を誇示する武力示威だろう。韓米は先週、ワシントンで核協議グループ(NCG)会議を開き、来年6月までに北朝鮮の核攻撃に対応する核戦略企画・運用ガイドラインを作成し、8月の韓米合同軍事演習でこれを適用した核作戦シナリオの演習を行う計画だ。在来型戦争に限られていた韓米合同軍事演習から核戦争対応演習まで行われることになる。これに北朝鮮も緊張するしかない。北朝鮮がNCG会議の結果を受けて「露骨な核対決宣言」と非難し、「先制的・壊滅的対応」を警告したのもこのためだ。

北朝鮮がわずか10時間差で短距離と長距離ミサイルを連続して発射したのも、米国の戦略兵器の韓半島への接近を阻止し、米本土まで攻撃できることを誇示することで、米国の「核の傘」の働きを無力化するというメッセージとみられる。今回の挑発で、北朝鮮はSRBMの発射方向を南に向ければ、釜山(プサン)に入港した米原子力潜水艦「ミズーリ」を攻撃でき、ICBMを通常の角度で発射すれば米本土全域を攻撃できると警告した。特に、いつでも奇襲攻撃が可能な固体燃料式ICBMの戦力化を急ぎ、韓米の核作戦に対抗する練習をしているのだ。

韓米の拡大抑止に対抗する北朝鮮の挑発は、2018年の南北軍事合意が破棄された韓半島で軍事的緊張感を高めている。来年の米大統領選という政治的変数まで重なり、北東アジア情勢の不安定性が大きくなれば、北朝鮮はより大きな挑発で安保地形を揺るがそうとするだろう。もはや「圧倒的な報復」といった警告で北朝鮮の挑発衝動を抑えることは難しい。韓米は何よりも「一体型拡大抑止」の稼働を急がなければならない。米軍戦略司令部と手を組む韓国軍戦略司令部の創設を早めるなど、韓国軍の対応能力と協調体制の構築にもさらにスピードを上げる必要がある。