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管理職に昇進できなければアウト?組織内の多様な経路を設けなければ

管理職に昇進できなければアウト?組織内の多様な経路を設けなければ

Posted October. 18, 2023 08:37,   

Updated October. 18, 2023 08:37

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年末になると多くの企業で人事異動がある。誰かが昇進し、誰かが異動し、祝福のメッセージが行き交う。一方では誰かがその場を離れる。同期や後輩が自分の上に上がり、その指揮を受けるようになった人たちだ。「若さ」が「有能」を輝かせる価値とされ、いわゆる「サプライズ抜擢」という人事が増え、このような人々も増えた。新しい管理者が快く働けるようにするという趣旨で、このような慣行は一種の美徳と見なされたりする。

概ね、ピラミッド構造を有する多くの組織では、管理職は限られている。管理職への昇進が組織生活の成果と見なされる文化では、昇進できないと失敗した、または追い出されたと見なされる。ポストが多くないという希少性のため、多くの人が組織生活の目標として昇進を挙げる。世界的な調査研究機関ガートナーによると、グローバル企業の従業員の3人に2人は、現在または将来、構成員を管理する立場に上がりたいと答えた。

管理職としての地位を確保できなければ、自発的に、または他意によって組織を離れる。同時に、彼らが数十年間蓄積した能力と専門知識も消える。企業にとって小さくない損失だ。有能な人材が管理職にこだわらないようにするにはどうすればいいのか。

現代(ヒョンデ)自動車グループの事例は参考に値する。現代自動車は、南陽(ナムヤン)研究所の人材のうち、優れた技術力を証明した職員が管理職への昇進のほか、専門家として歩むことができる経路を設けている。研究所の職員は、本人の申請や上司の推薦を通じて専門家トラックを選択することができる。このトラックを選択すると、管理者に昇進しなくても研究員の待遇を受け、専門性を築くことができる。

管理職への昇進だけで組織内のキャリアを制限することは、組織だけでなく個人にとっても良くない。管理業務に要求される能力を十分に持っていない、または他の人を管理し、組織を率いることに興味を持てない性格であれば、管理職になったときにストレスを受ける可能性がある。ガートナーの調査では、管理職の5人に1人は、選択の余地があれば、現在の役職に就きたくないとし、管理職の2人に1人は、仕事による疲労とストレスに苦しんでいると答えた。

米国の健康保険会社WPSヘルス・ソリューションズが代案を提示する。同社では、従業員が管理職に志願できる。管理者選抜プログラムを運営しているのだ。6ヵ月に渡って行われるこのプログラムを通じて、自分が管理者として適切な能力を持っているのかどうか自ら判断できる。今は少し能力不足でも、今後開発していく意志があるか、その役職が本人のキャリア目標に合致するか、本質的に自分が管理職の役割を本当に望んでいるかどうかなど多角的に実験できる機会だ。同社によると、プログラムに参加した従業員の75%は、このプログラムがキャリア管理と開発に非常に役に立ったと答えた。

優秀な人材が組織に長く残って十分に能力を発揮できるようにするには、管理職への昇進以外にも多様な経路を提示し、彼らが数少ない管理職に一喜一憂しないようにしなければならない。そうすれば、組織員個人と組織全体が共に成長することができる。