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今日も喜んで消える

Posted October. 16, 2023 10:08,   

Updated October. 16, 2023 10:08

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「あなたは存在する~だから消えるだろう。あなたは消える~だから美しい」(ヴィスワヴァ・シンボルスカ「二度あることはない」)

1996年にノーベル文学賞を受賞したポーランドの詩人ヴィスワヴァ・シンボルスカの詩集『終わりと始まり』に収録された詩だ。教科書に掲載されるほどポーランド国民に愛されているこの詩は、簡単でシンプルな言葉で核心を突いている。昨日は一輪のバラの花だった人が、今日は石ころのように感じられる人生。繰り返される一日もなく、次の機会もない人生の儚さについて語っている節から続く内容だ。すべてが消える明日と、必ず死ぬという儚さの前に自由でない私たちをシンボルスカはなぜ美しいと言ったのだろうか。

本は一見堅固に見えるが、物質と非物質、存在と非存在を行き来する不思議な性質がある。作家の思惟や叙事が手に取るようにわかる本になる。本は読者の心の中で新しい考えに変わり、砂漠に撒かれた1杯の水のように消えていく。繰り返しはない。私が読んだ本とあなたが読んだ本は違うし、数年前に読んだ本と今日読んだ本はまた違う。

本を作りながら編集者も存在して消え、消えて再び現れることを繰り返す。誰よりもその文章を多く読んでいるが、読者ではない人。句読点一つ一つに気を配るが、作家ではない人。当事者でも周囲でもないまま作品を応援することは、とても強迫的で混乱する。

奇妙で正体不明の存在がいつもそうであるように、本と本づくりは神秘的で美しい。変奏しつつも繰り返さない文章が波のように過ぎ去った場所に残された私たちは、決して昨日と同じになることはない。消え去り、変わるからこそ、いつでも新しく始める勇気が生まれる。たとえ「2つの透明な水滴のように」違っていても肩を並べて一致点を見つけようという言葉で終わる詩のように、読者の心の中で新たに生まれる美しい水滴を想像しながら、今日も喜んで消えていく。シンボルスカもそんな気持ちを語っていたのではないだろうか。