
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が8日、過去の訴訟でMBC側を代理して利害衝突防止規定違反が疑われた放送通信審議委員会(放審委)の丁珉榮(チョン・ミンヨン)委員に対する解嘱案を裁可した。丁氏の解嘱で、放審委の構図が与党優位に変わった中、放審委は同日の全体会議で柳熙林(リュ・ヒリム)放送通信審議委員を委員長に選出した。
大統領室報道官室は同日、「尹大統領は人事革新処が上申した丁委員に対する解嘱案を裁可した」とメディアに発表した。尹大統領は同日、インドネシア訪問を終えてインド向かう直前に解嘱案を裁可したと関係者が伝えた。弁護士であり野党が推薦した放送審議委員の丁氏は、尹大統領の卑俗語発言疑惑報道と孫石煕(ソン・ソクヒ)元JTBC代表取締役の同乗者疑惑報道などに関連した訴訟でMBC側を代理したことが明らかになり、利害衝突が疑われた。
国民権益委員会(権益委)も同日、丁氏に対する利害衝突防止違反告発事件の調査結果を発表し、「丁委員が利害衝突防止法に違反し、懲戒と過料の賦課が必要だと判断した」と明らかにした。権益委は丁氏が最近解嘱された鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)元放送通信審議委員長の解嘱処分執行停止申請の法律代理を務めながらも審議委員長選出に関連した会議に申告・回避手続きなしに出席したことも利害衝突防止違反に当たる判断したという。
大統領室の関係者は電話取材に対し、「弁護士である丁委員がMBCから色々な事件を受任し法律代理をするなど私的な利害関係が絡まっているにもかかわらず、申告や回避手続きなしにMBC関係者に対する懲戒措置を決める放審委の審議や議決に56回出席した」とし、「放審委の審議の公正性や独立性、信頼性を傷つける行為だ」と説明した。
丁氏の解嘱で、放審委員の政治的構図は与党推薦4人、野党推薦3人と与党優位に変わった。8日、放審委の会全体会議で新しく放審委委員長に選出された柳熙林氏は大邱(テグ)出身でYTNプラス代表取締役社長を務めた。最近解嘱された鄭淵珠氏の後任として先月18日、尹大統領が委嘱した。
張寬錫 jks@donga.com