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死を考える人生

Posted August. 14, 2023 08:18,   

Updated August. 14, 2023 08:18

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「私はですね、毎瞬間死を考えながら行動します」。(ニコス・カザンチャキスの「ギリシャ人ジョルバ』)

ニコス・カザンチャキスの「ギリシャ人ジョルバ」は、人生を思いっきり自由に生きた一人の人物に関する物語だ。

90歳にもアーモンドの木を植えていた祖父は、「坊や、私は自分が死なないように行動するんだよ」と話す。それを聞いたジョルバは、「僕はですね、毎瞬間死を考えながら行動します」と答える。

「死なないように生きること」または「死なないために生きること」、そして「死ぬかもしれないと思って生きること」など、様々な生き方の中で私はどんな人生を選ぶのだろうか?死ななければ退屈すぎると思う。人生の目的が死なないためというのは悲惨だ。人生は無限ではなく、人は結局死ぬ。それで私は、「死を考える人生」を選択する。すぐ明日どうなるか分からないが、会いたくない人に無理やり会う必要はなく、やりたくないことを無理にする必要もない。いつでもこの人生が終わると思えば、むしろすべてのことから自由になれる。

ジョルバが投げかけた質問は、「どう生きるか?」に関する質問だ。人生が永遠のようだった20代には溢れる自由が負担になり、何か早くなりたい時があった。そのように20代には、何かになるために生きてきた。生きていく日が生きてきた日より短くなった中年に、「ギリシャ人ジョルバ」を読んだ。

いつでも死ぬことができるから、人生で最も重要な瞬間は今であり、一番大切な人は今のそばにいる人だ。結局、毎瞬間死を考えることは人生を無駄にせず、後悔しない人生につながる。私は今元気に暮らしているか?大切な人と大事な時間を過ごしているのか?自分にもう一度確認する。私に与えられた人生を愛すること!そして、その人生に最善を尽くすこと!それは人生が有限であることを悟ることから始まる。