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北朝鮮の夜間軍事パレードに核魚雷初登場、「北朝鮮版リーパー」示威飛行

北朝鮮の夜間軍事パレードに核魚雷初登場、「北朝鮮版リーパー」示威飛行

Posted July. 29, 2023 08:21,   

Updated July. 29, 2023 08:21

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北朝鮮が27日夜、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で行われた「戦勝節(韓国戦争休戦協定締結日)70年軍事パレード」で、「核魚雷」をはじめ大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの核投発兵器を多数披露した。同日午後8時から約2時間行われた軍事パレードで、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記は、中国・ロシア代表団と並んで出席し、軍事パレードの間、親密さを示すなど、中朝ロの緊密な関係を強調した。北朝鮮は2020年10月の党創建75年軍事パレードから「6連続夜間軍事パレード」を続けている。

●「核魚雷」軍事パレードに初登場

28日、朝鮮中央通信や労働新聞など北朝鮮の官営メディアによると、前日の軍事パレードでは核魚雷「海溢(ヘイル)」4発が大型トラックに載せられて初めて姿を見せた。北朝鮮は今年3、4月に海溢の水中爆発実験を3回公開した。

このほかに、北朝鮮版イスカンダル(KN23)と極超音速ミサイル、超大型放射砲、巡航ミサイル、新型戦車なども続々と登場した。会場上空には26日、正恩氏とロシア代表団が参観した「武装装備展示会」で公開された新型無人偵察機(北朝鮮版グローバルホーク)・無人攻撃機(北朝鮮版リーパー)数機が示威飛行を行った。4、5機の北朝鮮版リーパーは、翼に空対地ミサイルを搭載していた。

軍事パレードの最後には例年通り「怪物ICBM」である「火星(ファソン)17」(液体燃料ICBM)と「火星18」(固体燃料ICBM)が登場した。各4、5基ほどが動員されたと推定される。労働新聞が公開した写真によると、火星18が登場すると、正恩氏とロシアのショイグ国防相は敬礼した。北朝鮮の違法な核ミサイル開発を中ロが容認していることを示す象徴的な場面だ。統一研究院の洪珉(ホン・ミン)北朝鮮研究室長は、「国連安保理理事国である中国とロシアが、北朝鮮に対する制裁決議メカニズムを無力化する意図で演出された場面とみられる」と指摘した。

今年2月の建軍節75年夜間軍事パレードでは、火星17を11基、火星18を4、5基など過去最大規模のICBMが動員された。軍消息筋は、「現在としては2月の軍事パレードの規模には及ばないとみられる」とし、「軍事パレードに動員された兵器装備の具体的な現況を分析している」と話した。

●金正恩総書記の左右に中ロ代表団

正恩氏は同日、黒いスーツを着て登場した。正恩氏の右側には軍服姿のショイグ氏が、左側には中国全国人民代表大会常務委員会の李鴻忠副委員長が座った。正恩氏は、軍事パレードの最中に明るい表情で彼らと話をしたり握手をしたりするなど、中朝ロの結束をアピールした。2月の建軍節の軍事パレードに出席していた正恩氏の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏と娘のジュエ氏は姿を見せなかった。

洪珉氏は、「従来の軍事パレードは、李雪主氏やキム・ジュエ氏も出席し、対内に見どころを提供するお祭りムードだったのに対し、今回は中ロとの緊密な関係をアピールする実用的な外交安保メッセージに重点が置かれた」と分析した。

正恩氏の演説はなかった。北朝鮮の強純男(カン・スンナム)国防相は演説で、「米帝と『大韓民国』の逆賊たちは、わが国家の政権終焉についてまで口走り、非常識な暴言を吐いている」とし、「米国は政権終焉について口にする前に自らの滅亡を心配すべき時であり、戦略兵器を朝鮮半島に投入する前に、米本土全域を覆う朝鮮民主主義人民共和国の戦略核武力について考えなければならない」と述べた。「北朝鮮のいかなる核攻撃も体制終焉に帰結する」という韓米の警告を「米本土核攻撃の脅迫」で反撃したのだ。外交関係者らは、「米国など国際社会がロシアと中国を非難する可能性が高いため、正恩氏が直接メッセージを出さず程度を調整した」と見ている。

軍事パレードでは、金日成主席など韓国戦争指揮部の大型肖像画と当時の参戦部隊の象徴縦隊が最前列に登場し、注目を集めた。韓国戦争の国連軍参戦部隊である「スミス特攻隊」と戦った人民軍部隊の象徴も含まれていた。

軍関係者は、「同じ時間帯に、韓国戦争勃発初期に『スミス特攻隊』が到着した釜山(プサン)国際映画祭広場(旧水営飛行場)で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が出席した中で行われた休戦70年記念式典を意識したもの」と話した。


ユン・サンホ軍事専門記者 コ・ドイェ記者 yea@donga.com