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国立中央博物館に視覚障害者のための「五感展示室」、今年9月オープン

国立中央博物館に視覚障害者のための「五感展示室」、今年9月オープン

Posted July. 24, 2023 08:22,   

Updated July. 24, 2023 08:22

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「感じられます。これは確信の笑みです」

20日、ソウル龍山区(ヨンサンク)の国立中央博物館1階展示室。目の見えない視覚障害者であるソウル盲学校の教師イ・ジンソクさん(44)が、一方の手で国宝の金銅弥勒菩薩半跏思惟像(1962-2号)の模型の口元を、もう一方の手で右足の先を触った。指先で仏像のつま先を一つ一つ触っていたイさんは、口元に笑みを浮かべながらこう言った。

「つま先が空に向いて立っています。隣にある国宝金銅弥勒菩薩半跏思惟像(1962-1号)が足先の力を抜いているのに対し、この仏像は力を込めています。心の中で何らかの決意をしたようです。2つの仏像は同じ笑顔を浮かべているように見えますが、笑顔の意味は違いますね」

国立中央博物館は今年9月の開館を目指し、157.54平方メートルの規模の「五感」展示室を作っている。国宝の半跏思惟像2点を並べて配置し、2021年11月の開館以来、現在までに約100万人が訪れた「思惟の部屋」を視覚障害者が体験できるように別途作っているのだ。この展示室には、「展示物に触れてはいけない」というタブーがない。本物の国宝の代わりに、サイズと材質を再現した半跏思惟像2点やミニチュア16点など仏像の模型30点を配置し、視覚障害者が自由に指で触れて感じることができるようにした。展示場には、自然の中にいるような効果を与えるために特別に制作したお香が置かれている。

国立博物館が視覚障害者のための常設展示室を設けるのは初めて。国立中央博物館は、イさんら視覚障害者30人を諮問委員と事前体験団に選定し、空間を一緒にデザインしている。イさんは同日、鋭い評価をした。「キュレーターや案内人がいちいち動線を教えて体験をサポートするのもいいが、思惟は誰かが代行してくれるのではなく、自らがやらなければならない」とし、「視覚障害者が一人で鑑賞できるシステムができればいい」と話した。国立中央博物館は、イさんの意見を受け入れ、視覚障害者が案内人のサポートなしに体験できるよう展示室内の動線と展示物についての説明をまとめたオーディオガイドを用意することにした。

五感展示室を企画した国立中央博物館のチャン・ウンジョン教育長は、「『視覚障害の学生が敬遠する現場学習の1位が博物館』という話を聞いて衝撃を受け、展示室を作ることになった」と話した。盲学校の学生の間では、博物館が美術館、水族館と共に3大忌避空間に挙げられるという。「思惟の部屋」展示も視覚障害者にとっては無意味な空間だったという反省も、この展示室を設置する動機になった。

イさんは、障害者のためのプログラムを非障害者と一緒にしたいと話した。

「視覚障害者が指先で感じた展示物と、非障害者が目で見た展示物がどのように同じか、違うのか話してみたい。もしかしたら、心の中に描いた展示物の姿は、思ったより変わらないかもしれない(笑)」

最近、美術館や古宮も障害者の体験の敷居を下げている。京畿道龍仁市(キョンギド・ヨンインシ)の湖巌(ホアム)美術館は、9月10日まで開かれる企画展「一点空…金煥基(キム・ファンギ)」で、「色覚異常補正眼鏡」を無料で貸し出している。文化財庁は、視覚障害者専門解説士と共に景福宮(キョンボククン)と昌徳宮(チャンドククン)を体験するプログラムを事前申請者を対象に実施している。宮廷の縮小模型を手で触ることができる体験も含まれている。昨年初めて導入されたこのプログラムは、今年は今月18日から再開され、週末と祝日を除く平日に実施される。


イ・ソヨン記者 always99@donga.com