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北朝鮮のICBM挑発時にNSC議長・常任委員長・事務処長が揃って海外出張中

北朝鮮のICBM挑発時にNSC議長・常任委員長・事務処長が揃って海外出張中

Posted July. 14, 2023 08:23,   

Updated July. 14, 2023 08:23


北朝鮮が、固体燃料の大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した時、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席するためにリトアニアを訪問中だった尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、ビデオで緊急国家安全保障会議(NSC)を招集した。同会議には、趙太庸(チョ・テヨン)国家安全保障室長と金泰孝(キム・テヒョ)安保室第1次長がリトアニア現地で出席し、国内では統一部・国防部長官、国家情報院長らが龍山(ヨンサン)国家危機管理センターに集まった。大統領が海外歴訪中にNSCを開いたのは初めて。

尹大統領がリトアニアで未明に迅速にNSCを招集し、北朝鮮の挑発に断固として対応する意志を示したことは評価に値する。しかし、国家安全保障の最高議決機関であるNSCの議長(大統領)と常任委員長(安保室長)、事務処長(安保室第1次長)が海外で画像で国内と意思疎通することはこれまでなかった。政府は、北朝鮮の挑発がある度に、その程度に応じて大統領主宰のNSC全体会議、安保室長主宰の常任委員会、第1次長主宰の状況点検会議などを開いて対応してきた。そのような対応の中心となる主体が一度に海外出張に出たのは正常と見ることはできない。

安保室長と第1次長が大統領の海外歴訪に随行したのは今回だけではない。昨年、尹大統領が初めてNATO首脳会議に出席した際、当時、金聖翰(キム・ソンハン)安保室長が国内に残ったことを除けば、歴訪の度に慣習のように続いてきた。前政権ではなかったことだが、現政権に入って既存の安保室の「国防安保第1次長、外交安保第2次長」体制で1・2次長の業務を入れ替え、金第1次長が外交安保業務だけでなく、NSC処長として危機対応業務まで担うようになったためだ。 

むろん、安保室は大統領の歴訪随行による空白がないよう任務代行体制も整えているだろうし、先端セキュリティ通信時代に空間的距離による意思疎通の支障も大きくないだろう。しかし、北朝鮮が現在の武力示威の挑発を越えて直接的な武力攻撃を行ったり、南北間の偶発的な衝突事態が発生した場合、コントロールタワーの首脳部の同時不在による体系混乱や責任論争を招く可能性は排除できない。安保室の核心機能は、最悪の事態を念頭に置いた危機管理・対応にある。新政府発足から1年が過ぎた今、安保室の機能と構成員の任務を見直す時だ。