
フランス・パリ郊外にある都市ナンテールで、交通検問に応じなかった17歳の男性が警察に発砲され死亡した。これに対し、警察の過剰対応を非難する市民がフランス各地で抗議デモを行った。
28日(現地時間)、SNSに出回った映像によると、前日、警察官2人はナンテールのある道路で黄色い車を停車させた後、運転席に向かって銃口を向けた。しかし、車両が発進し、銃口を向けていた警察官が引き金を引いた。
仏紙ル・モンドは、警察官が運転席にいたナエルさん(17)に「お前の頭を撃つ」と言う声が映像に録音されていたと報じた。警察は当初、ナエルさんが警官に向かって突進したため発砲したと説明したが、映像には警官が車の横から運転席の中を調べている時に、ナエルさんが発進するシーンだけが映っており、虚偽説明をめぐって論争が起きた。
ナエルさんは銃声が聞こえてから数十メートル移動した後、どこかにぶつかり、息を引き取った。警察は、ナエルさんが交通ルールを違反したと見て車を停めたという。
事件当日の27日、ナンテールなどでは警察に対する抗議デモが起こった。一部のデモ隊はバスの停留所を破壊し、ある刑務所の警備ポストを攻撃した。翌日深夜まで、イル・ド・フランス地域、リヨン郊外、トゥールーズなどで抗議デモが起こった。28日までに約150人が逮捕された。検察は、ナエルさんに発砲した警察官(38)を逮捕し、過失致死の疑いで捜査している。
マクロン大統領は同日、「説明できない、許しがたいことだ」と述べた。フランス男子サッカー代表チームの主将を務めるキリアン・エムバペ氏(パリ・サンジェルマン)はツイッターに、「フランスが病んでいる。受け入れられない状況だ」と投稿した。
趙은아 achim@donga.com