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クリムト最後の肖像画が欧州最高価格で落札

クリムト最後の肖像画が欧州最高価格で落札

Posted June. 29, 2023 08:29,   

Updated June. 29, 2023 08:29

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「黄金色彩の巨匠」と呼ばれるオーストリアの画家グスタフ・クリムトの最後の肖像画が27日(現地時間)、競売で欧州の芸術作品としては過去最高価格で落札された。

競売会社サザビーは同日、英国ロンドンで開かれた競売でクリムトが亡くなる前に最後に残した2点の作品の一つである「扇子を持つ貴婦人」が8530万ポンド(約1419億ウォン)で落札されたと明らかにした。これは2010年2月、サザビーロンドン競売で1億432万ドル(約1363億ウォン)で落札されたアルベルト・ジャコメッティ作のブロンズ像「歩く男Ⅰ」の記録を破ったものだ。サザビーズ側が事前に予想した落札価格の8000万ドル(約1034億ウォン)もはるかに上回った。

「扇子を持つ貴婦人」は1994年、サザビーズ・ニューヨーク競売で1160万ドル(約151億ウォン)で売れた。約30年ぶりに落札価格が10倍近く上がったのだ。サザビーズは、最終落札者はサザビーズアジア前会長のパティ・ウォン氏だと伝えた。ウォン氏香港のコレクターを代理して今回の競売に参加したという。

この作品は1918年56歳だったクリムトが脳梗塞で倒れた後、肺炎で亡くなった当時、作業室のイーゼルの上に置かれていた。クリムトの支援者であり友人だったエルビン・ベラーが所有し、収集賞を経て1994年競売に登場した。

「扇子を持った女」にはファッションと織物、東洋文化に関心が大きかったクリムトの特徴がそのまま現れている。モデルは鳳凰が描かれた東洋的な模様のドレスを着たまま肩を露出している。サザビーズ側は、作品について「能力が絶頂に達した芸術家の傑作」とし、「境界を抜け出そうとする実験的な試みでいっぱいだ」と評価した。

クリムトは、「接吻」や「ユディット」など金箔を活用した華麗で大胆な作品で有名だ。風景画「白樺林」は昨年クリスティーズ・ニューヨークで1億460万ドル(約1368億ウォン)で落札された。全世界美術品の最高価格記録はレオナルド・ダ・ヴィンチがイエスを描いた「サルバトール・ムンディ」だ。この作品は2017年ニューヨークのクリスティ競売で4億5030万ドル(約5890億ウォン)で落札された。


洪禎秀 hong@donga.com