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本格的な梅雨入り、1年前の惨事を繰り返してはならない

本格的な梅雨入り、1年前の惨事を繰り返してはならない

Posted June. 26, 2023 08:39,   

Updated June. 26, 2023 08:39


25日、済州島(チェジュド)に大雨特報が発令されたのを皮切りに梅雨が始まった。同日、済州道と南海岸に100ミリ前後の集中豪雨を降らせた雨雲は、今日は中部地方に拡大し、全国に強い雨を降らせる見通しだ。

今夏はスーパーエルニーニョによる記録的な洪水が予告されている。昨年夏、首都圏集中型の豪雨と台風11号「ヒンナムノー」がもたらした大雨で、南部地方に莫大な人命と財産の被害を受けた記憶も新しい。ところが、「先制的かつ体系的な水害対応をする」という政府の約束とは異なり、梅雨が始まるまで短期的な浸水対策さえできていないところが多い。

昨年夏、ソウルでは115年ぶりの豪雨で半地下の住宅が浸水し、4人が死亡した。ソウル市は大々的な「半地下解消」対策を発表したが、今のところ半地下から抜け出した世帯は全21万世帯のうち1%に過ぎない。浸水の可能性が高く、止水板と逆流防止器の両方を設置しなければならない世帯が1万5500世帯に達するが、実際に設置が終わった世帯は40%に過ぎない。借家人と連絡が取れなかったり、住宅価格の下落を懸念する家主の同意を得られなかったという理由からだ。できる限り説得するものの、今すぐ移動式の止水板でも支援しなければならない。

昨年、雨樋の詰まりは浸水被害を増大させた主な原因だった。ソウル市は225億ウォンを投じて市内の雨水受け54万個を全て清掃したと発表したが、被害が大きかった江南(カンナム)駅と新林洞(シンリムドン)一帯には依然としてゴミに阻まれているところが多い。浸水危険地域が分布している釜山(プサン)市と大田(テジョン)市の雨樋点検履行率は10%にも及ばない。台風11号「ヒンナムノー」で浦項市を流れる河川「冷川(ネンチョン)」が氾濫し、周辺のマンションの地下駐車場で7人が死亡したが、整備工事は先月末に始まり2年はかかる見通しだ。「運任せで手をこまねいているだけということか。水がよく抜けるように臨時復旧を急いで終え、浸水予報や災害メールを迅速に発信することで避難できる時間を稼がなければならない。

短期対策も予算と苦情を口実に先送りしているため、長期対策をきちんと履行するかは疑問だ。ソウル光化門(クァンファムン)と江南駅の超大型雨水トンネルと道林川(トリムチョン)流域の地下防水路は、今年11月に着工する計画だ。浦項市冷川下流の住居密集地域と鉄鋼産業団地の氾濫を防ぐための上流ダムは妥当性調査も始めていない。事態が起きれば怒った民心をなだめるために大々的な対策を発表し、季節が変わればうやむやになる災害行政で、どうして気候災害時代に備えることができるだろうか。