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子供にゲームをさせようとするパパとママのために

子供にゲームをさせようとするパパとママのために

Posted June. 15, 2023 08:14,   

Updated June. 15, 2023 08:14

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ある友人は、息子にゲームをさせるたびに、家でいざこざが起こると言った。映画「スターウォーズ」が好きな息子のために、週末になると映画の中のキャラクターが出てくるゲームをさせてやるのに、妻からにらまれるという訴えだった。友人の妻は、たとえゲームだとしても、息子が週末ごとに光線剣を振り回し、敵軍を数十人ずつ斬るのが果たして教育的に正しいのかを問い詰めると話した。友人は、「幼い頃、映画『ジュラシック・パーク』を見て恐竜のおもちゃで遊ぶことと、ゲームで『ジェダイ』を直接操縦しながら刀の戦いをすることは何が違うのか」と対抗したが、叱られただけだと話した。

韓国社会で、ゲームに対する認識は友人と友人の妻の立場のように分かれるのが普通だ。かつては残酷な犯罪が起きる度に、その人が楽しんでいたゲームをニュースで言及し、「暴力的なゲームをして犯罪を犯した」という論理を展開した時もあった。あの時に比べると、ゲームに対する認識ははるかに改善されたものの、依然としてゲーム自体への否定的な見方も少なくない。

ゲームが持っている産業的な潜在力をめぐる認識も、やはり依然として足踏み状態と見える。ゲーム業界の関係者らは、「外国ではゲーム産業を新しい成長エンジンという見方が多数だが、韓国では射幸性、過没入コンテンツという見方が多いようだ」と訴える。しかし、ゲームに対する否定的な見方とは関係なく、グローバルゲーム産業は恐ろしいスピードで成長している。

今年初め、米ラスベガスで開かれた世界最大の情報技術(IT)見本市「CES2023」で、米国消費者技術協会のスティーブ・コーニグ研究担当副会長は、今年の技術トレンドの一つとしてゲーミングについて言及した。市場調査会社・オムディアによると、2027年まで世界のゲーム消費者の支出は、放送や映画より多い2150億ドル(約274兆ウォン)に達する見通しだ。

最近、話題の人工知能(AI)や仮想現実、メタバースなどの終着地の一つも、結局ゲーム産業だ。AI開発の結果物のうち、業務用ツールを除いた残りの大半はエンターテインメントに集中し、AIで減った(自意であれ他意であれ)業務時間を奪おうとするエンターテインメント業界の競争は、日増しに激しくなるだろう。自動運転車にゲームが融合するのも似たような理由だ。

現在、国内ゲーム業界の状況はそれほど良い方ではない。国内ゲーム輸出の30%以上を占めていた中国は、資本と人材を武器に独自のゲームを作り、韓国が占めていた市場を奪っている。ゲーム産業が活力を失い、人材離脱などでAI開発人材の生態系も揺れている。産業の一輪としてゲームを認め、支援しなければならない適期を逃すのではないかと懸念される理由だ。

もちろん、国内ゲーム会社の自浄努力も必要だ。ユーザーを没入させるために課金を誘導していた既存の収益構造を改善し、コンテンツ自体で勝負をかけてこそ、ゲームに対する否定的な認識が改善される。ただ、問題点のある部分は精密打撃で直して、産業全体としては振興しなければならない。ゲームも輸出産業であり、重要な雇用市場だからだ。