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同盟を揺るがした21歳の州兵、機密流出容疑で逮捕

同盟を揺るがした21歳の州兵、機密流出容疑で逮捕

Posted April. 15, 2023 08:40,   

Updated April. 15, 2023 08:40


米国の機密文書流出事件をめぐり、空軍州兵のジャック・テシェイラ容疑者(21・写真)が13日(現地時間)、北東部マサチューセッツ州ノースダイトンで逮捕された。6日の米紙ニューヨーク・タイムズなどの報道で文書流出の事実が明らかになってからちょうど1週間が経った。テシェイラ容疑者の逮捕により、文書の流出経緯や目的、真偽、共犯者の有無などの捜査も急ピッチで進むとみられる。ただ、米国の最新の1級機密が20代の州兵によって流出したことが明らかになり、米国の脆弱なセキュリティシステムに対する批判も高まっている。

ガーランド米司法長官は同日、緊急記者会見を開き、「連邦捜査局(FBI)捜査官が機密情報を無断で持ち出して送信したテシェイラ容疑者を逮捕した」とし、「スパイ防止法」違反などで起訴する意向を明らかにした。CNNなどは、テシェイラ容疑者が早ければ14日にマサチューセッツ州連邦地裁に出頭し、罪状認否が行われると伝えた。

スパイ防止法によると、流出した機密文書1件につき最大10年の刑が宣告される可能性がある。300件余りの文書を流出したため、算術的には数百年を超える膨大な刑を宣告される可能性もあるということだ。

テシェイラ容疑者の逮捕は軍事作戦を彷彿とさせた。FBIは装甲車、自動小銃などで重武装した捜査官6人をテシェイラ容疑者の母親の自宅に送り、逮捕に至った。CNNなど米メディアも、逮捕の様子を生中継した。

テシェイラ容疑者は、マサチューセッツ州防衛軍「102情報飛行団」に勤務する一等兵で、階級は低く若いが、軍事通信ネットワーク担当者として米国が全世界から収集した機密情報が集まる「共同世界情報通信システム(JWICS)」にアクセスできるため、文書を持ち出すことができたとみられる。テシェイラ容疑者は、チャットアプリ「ディスコード」内の10代の軍事ユーチューバーが多い「サグ・シェーカー・セントラル」というチャットグループのリーダー格で、昨年から300件以上の機密文書を流出させた。

テシェイラ容疑者が所属する州防衛軍は、平時は州知事の指揮を受け、地域内の災害への対処、治安維持などを担当する。戦時には連邦政府の統率を受け、米正規軍の一部機能を担う。韓国など同盟国に対する盗聴情況、北朝鮮と中国の戦力情報、ウクライナ戦争の情勢など、米国の最新機密文書が米正規軍でもない予備部隊の末端兵士によって暴露されたという点で、流出事件をめぐる論議は相当期間続きそうだ。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 weappon@donga.com