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新作小説『ハルメ』を刊行した黄晳暎氏「世の万事は関係の循環」

新作小説『ハルメ』を刊行した黄晳暎氏「世の万事は関係の循環」

Posted December. 10, 2025 10:13,   

Updated December. 10, 2025 10:13


「結局、世の万事は循環するという悟りを今回の小説に込めたかった」

小説家の黄晳暎(ファン・ソギョン)氏(82)は9日、ソウル中区で新刊『ハルメ』の刊行を記念して懇談会を行った。長編小説『ハルメ』は、昨年国際ブッカー賞最終候補に選ばれ話題となった『鉄道員三代』(2020年)以来、5年ぶりに発表する新作だ。

小説は、歴史の渦の中でも粘り強く生き残ったエノキ「ハルメ」を中心軸に、韓半島600年の叙事を扱う。背景は古木のエノキの視線に沿って14世紀の朝鮮建国直後から、さまざまな対立が渦巻いた近現代までを網羅する。実際に全羅北道群山(チョンラプクト・グンサン)の下梯(はジェ)村にある樹齢600年のエノキから着想を得たという。

黄氏はエノキを取り巻く歳月が「直線的な歴史ではなく、縁と関係の循環」である点を強調した。

「パンデミックを経験し、生と死について多く考えました。すべての関係は循環し、カルマ(業)は絶えず変化し継承されると感じました」

小説には、それぞれ深い事情を持つ人物たちが登場し、絶望の中でも失われなかった希望と連帯の価値を語る。黄氏は「開発事業によって消えゆく運命に置かれたエノキ、そしてその木と共に過ごした600年、民衆の人生を描きたかった」と述べた。


イ・ジユン記者 leemail@donga.com