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ムーディーズ、米銀行の見通しを「安定→否定的」に下方修正

ムーディーズ、米銀行の見通しを「安定→否定的」に下方修正

Posted March. 16, 2023 08:43,   

Updated March. 16, 2023 08:43

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米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻後、米中小型銀行の連続的な取りつけ騒ぎ(大規模な預金引き出し)の恐怖が落ち着きを見せ始めているが、不安の兆しは依然として残っているという分析が出ている。国際格付け会社ムーディーズは14日(現地時間)、米国の銀行システム全体に対する格付けの見通しを「安定的」から「否定的」に下方修正した。

同日、ニューヨーク証券市場は、米中小型銀行株が一斉に持ち直し、恐怖が緩和された。前日61.8%急落したファーストリパブリック銀行の株価は再び27%上昇し、47.1%下落したウェスタンアライアンスの株価も14.4%持ち直した。米連邦準備制度(FRB)と財務部などが預金全額を保証し、流動性支援に乗り出し、不安を落ち着かせたという評価が出ている。

しかし、不安の兆しは依然として残っている。預金支給能力に疑問が提起された中小型銀行は、具体的な預金引き出しの現状を公開していない。過去の取りつけ騒ぎと違って、ツイッターなどのソーシャルメディアで恐怖が急速に伝染する点も警戒しなければならないと、ウォールストリートジャーナル(WSJ)は分析した。

特にムーディーズは、米銀行に対する格付けの下方修正について、「SVBとシルバーゲート銀行、シグネチャー銀行で起きた預金引き出し事態と、これらの銀行の破産により(米銀行の)経営環境が急速に悪化している」という点を理由に挙げた。また、FRBの金利高の局面の長期化を予想し、米国経済が今年中に景気低迷に陥れば、銀行業界に対する圧力が加重されかねないと見通した。米捜査当局は、SVBとシグネチャー銀行の経営陣の破綻前の取引などについて調査に着手したという。バイデン行政府の「SVB預金の全額保証」の方針に、「事実上救済金融」という議論が起きると、預金主は支援するものの、経営陣には責任を問うという原則を強調しようとする狙いと解説される。米法務省と証券取引委員会(SEC)は、SVB破綻措置前の経営陣の持分の売却などに関する調査に着手したという。

米捜査当局は、また、シグネチャー銀行の突然の破綻前から、同行が仮想通貨の顧客会社のマネーロンダリングに関わっているという疑惑を調査してきたと、ブルームバーグ通信は報じた。シグネチャー銀行の顧客の中には、昨年11月に破産後、捜査を受けている仮想通貨取引所FTXも含まれている。


金玹秀 kimhs@donga.com