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「検事出身」国家捜査本部長が辞退、「検察一色」の人事システムが問題だ

「検事出身」国家捜査本部長が辞退、「検察一色」の人事システムが問題だ

Posted February. 27, 2023 08:35,   

Updated February. 27, 2023 08:35

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24日、警察庁国家捜査本部長に任命された検事出身の鄭淳信(チョン・スンシン)弁護士が一日で辞退した。息子の学校暴力事件に対する鄭氏の不適切な対応をめぐって世論が悪化すると、25日、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が鄭氏の任命を取り消したのだ。異例の人事混乱の中、3万人の捜査警察を指揮する重責を持つ国家捜査本部長がかなりの期間空席になることになった。

鄭氏の息子は、2017年に有名私立高校に入学した後、寮の同じ部屋を使う同級生に8ヵ月間「豚××」「赤××」などと暴言を吐き、学校暴力委員会に回付された。被害生徒が自殺を図ろうとするほど事案は深刻だった。当時検事だった鄭氏は、「言語的暴力だから文脈が重要だ」と責任を認めようとせず、息子の陳述書の作成にも関与した。学校側が転校処分を下すと、再審を申請し、裁判所に行政訴訟を起こして最高裁まで進んだ。結局敗訴したが、法的手続きが行われている間、転校措置が1年ほど遅れた。鄭氏が反省と謝罪の代わりに訴訟戦を繰り広げたため、被害生徒が長く苦しむ結果となった。

この事件は2018年にメディアでも報道された。現政府の人事手続きにも、公職予備候補者に本人、配偶者または直系尊属が関係する民事・行政訴訟があるか確認することになっている。にもかかわらず警察庁と大統領室は「子どもに関する問題なので検証に限界があった」と責任を回避している。人事検証を強化し、透明性を高めるために作った法務部人事情報管理団は、鄭氏に対する検証を行ったかどうかも明らかにしていない。また、鄭氏は大庄洞(テジャンドン)事件の裁判でキム・マンベ氏の弁護に参加した経歴もある。昨年初めまで大型腐敗事件の核心人物を弁護した鄭氏が国家捜査本部長として警察を指揮することが適切かという疑問が提起されたが、検証過程で問題視されなかった。

鄭氏は、尹大統領がソウル中央地検長だった当時、人権監督官を務め、共に勤務した。韓東勲(ハン・ドンフン)法務大臣、李沅䄷(イ・ウォンソク)検事総長と司法研修院の同期でもある。現在、大統領室の人事企画官と人事秘書官、公職綱紀秘書官など人事・検証ラインはすべて検察出身者が占めている。これでは鄭氏に対する検証がきちんと行われたのかという批判が出るのは当然だ。鄭氏が退いたからといって終わることではない。鄭氏をしっかり検証しなかった責任者を問責し、検察出身一色の人事・検証ラインを刷新しなければならない。