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役割交代

Posted January. 31, 2023 07:51,   

Updated January. 31, 2023 07:51

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韓国戦争に中国共産軍が介入し、連合軍が38度線の南に後退し、戦争の見通しが絶望的な状況に変わっていた時、よりによって米8軍司令官のウォーカー中将が自動車事故で死亡した。後任に急きょ派遣されたのが、マシュー・リッジウェイ将軍だった。リッジウェイ将軍は、第2次世界大戦中に第82空挺師団長としてノルマンディー上陸作戦に参加し、その後は第18空挺軍団長を務めた。マッカーサー元帥のことがあまり好きではなかったし、マッカーサー元帥もそのことをよく知っていたが、マッカーサー元帥はウォーカー将軍の後任にリッジウェイ将軍を指名した。その攻撃的な精神を高く評価したからだ。

リッジウェイ将軍が韓国に赴任した時、米軍の士気は最低水準だった。ワシントンでは、司令部の参謀までが皆、撤退を考えていた。リッジウェイ将軍の戦争哲学は主導権だった。戦争は、主導権を握った者が勝利する。彼は防衛計画ばかり立てている参謀たちを叱り、行く先々で「攻撃」を叫んだ。

しかし、このような大げさなスローガンだけでは、落ちた士気を一度に回復することはできない。リッジウェイ将軍は、些細なことまで改善点を見つけようとした。

この頃に彼が出した「細かい改善策」の一つは、陸軍と海軍の副士官と兵士たちが、互いに任務を交代してやってみることだった。軍隊とは、特別な所属感が求められるところだ。ところが、このような所属感は、異なる兵種や他の部隊を軽蔑し嘲弄する形で現れたりするが、士気が落ちた部隊にはこのようなことも戦意を阻害する要素になる。

例えば、陸軍兵士と海軍の水兵たちは、お互いに自分たちがもっと苦労し、相手は楽をしていると愚痴をこぼした。リッジウェイ将軍は、互いに役割を交代させることで、相手の任務がどれほど大変で厳しいもので、大事なものかを体験させようとした。実際、このプログラムに参加した兵士たちは、お互いに対して尊敬心を持つようになったという。

今、韓国社会を沈没させている分裂の手法は、相手を悪と決めつけ、相手の暮らしに対する尊重を嘲弄に変えることだ。教育や文化、ソーシャルメディア、さらにはカフェやタクシーの中でも、「あなたは楽で、私は苦しい」という言い方が横行している。このような軍隊では勝利できず、このような国は衰退するほかない。