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予算の最長遅刻処理にも、選挙区予算の確保に奔走した与野党の実力者たち

予算の最長遅刻処理にも、選挙区予算の確保に奔走した与野党の実力者たち

Posted December. 26, 2022 09:03,   

Updated December. 26, 2022 09:03

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国会が24日未明にようやく処理した来年度の予算案には、与野党の実力者議員の選挙区の予算が相当額反映されたり増額されたことが分かった。与野党間の未曾有の力比べの中で、2014年の国会先進化法の施行以降「最長の遅刻処理」という不名誉な記録を立てながらも、主要政治家たちは間違いなく自分の分け前を確保することに余念がなかった。

実力者議員の自分の選挙区の予算確保には、与野党を選ばなかった。経済危機の克服のための「緊縮財政」を掲げた与党「国民の力」では、非常対策委員長と政策委議長はもちろん、「尹核関(尹大統領の主要関係者)という意」と呼ばれる大統領側近までが自身の選挙区の予算を政府案より大幅に増額したり、政府案になかった事業を新設して確保した。最大野党「共に民主党」の実力者たちも、これに劣らない。党政策委議長と院内副代表、国会予決委員長と幹事は、新規または増額で地域予算を獲得した。

与野党は、予算案の処理直後、「庶民と社会的弱者、未来世代のための民生予算」と自画自賛した。法定期限と通常国会終了はもちろん、国会議長が提示した2回の時限まで越え、与野党はいわゆる「尹錫悦(ユン・ソクヨル)流」「李在明(イ・ジェミョン)流」予算を巡り争った結果だった。しかし、その間も実力者議員たちは、ひたすら次の総選挙のための選挙区の予算確保に力を入れた。果たして与野党を代表するという彼らが、「国会」という文字が鮮明な議員バッジをつける資格があるのか疑問だ。

実力者たちの影響力が働いた甘い予算の分け合いは、今に始まったことではない。速記録すらなく、ごく少数のみ参加する闇の談判で、苦情性メモ予算と与野党間の談合予算が蔓延るのは当然のことだ。このように配分された予算の中には、事業の基本設計や総事業費の予測すらなく、結局は再び回収されてしまういわゆる「垂れ幕予算」も少なくないという。このような予算審査の旧態は、深刻な国家資源の配分の歪曲と国民血税の浪費を生むほかない。

予算案の処理後、一部の議員は早くも、「選挙区の事業に膨大な国費を確保した」とPR資料の出すのに追われている。与野党は今後、各地域を回りながら「予算爆弾をつぎ込んだ」と宣伝し、議員たちもそれぞれ議政報告書に大きな文字で「自慢の種」と掲げるだろう。残念な韓国政治の現状だ。政府の財政支出の統制という国会本来の予算審査から外れた専横を防止する、市民社会や国会レベルの監督機構が切実だ。