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「健全財政」を強調した尹大統領の施政演説、放漫財政の是正は進んでいるのか疑問だ

「健全財政」を強調した尹大統領の施政演説、放漫財政の是正は進んでいるのか疑問だ

Posted October. 26, 2022 08:29,   

Updated October. 26, 2022 08:29

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は25日、国会で来年度予算案を説明する施政演説を行った。就任後初の予算案施政演説だが、最大野党「共に民主党」は李在明(イ・ジェミョン)代表の側近である金湧(キム・ヨン)民主研究院副院長に対する検察の家宅捜索を理由に出席を拒否した。捜査に必要な家宅捜索なのだろうが、施政演説の前日にしなければならなかったのか疑問だ。ただ、5年前、文在寅(ムン・ジェイン)政府の初の予算案施政演説の時も与野党の対立は激しかったが、当時野党だった「国民の力」は少なくとも出席は拒否しなかったことを民主党は思い出す必要がある。 

尹大統領は、文前政権が政治的目的のあまり放漫な財政運用で財政赤字を拡大させた点を直撃した。しかし、社会的弱者の支援、社会インフラの拡充、安全保障の強化など、ほぼすべての分野で既存の予算を拡大し、どこで財政を引き締めるのか分からない。文政権の5年間で本予算が年平均8.7%ずつ増え、前年ベースが非常に大きくなった状況で、5.2%さらに増やした。2010年以降、初めて前年比予算を縮小したと自評したものの、それは前年の本予算の追加更正予算を含めた全体予算と新年本予算を比較したもので比較の対象が異なり、新年にも経済危機などの影響で追加更正をするかもわからない状況だ。

尹大統領自身が政治的目的を前面に掲げた大統領選公約の予算については避け、沈黙し、強弁した。老齢基礎年金の引き上げは、「共に民主党」が30万ウォンから40万ウォンに上げ、対象も70%から100%への拡大を推進し、財政破綻をもたらすことが懸念されるが、数値を提示せずに言及するだけの無責任さを露呈した。出産後1年間70万ウォンを支給する出産手当は、費用に対する効果が疑わしいにもかかわらず、予算案に反映して議論しなかった。兵士の給与を82万ウォンから130万ウォンに引き上げる予算は、初級幹部の報奨も比例して増えなければ優秀な幹部の充員を困難にする副作用を招く恐れがあるにもかかわらず、国防力の強化が目的だと繕った。

国会先進化法により、予算案は「共に民主党」が審議を故意に怠っても期限の11月30日が過ぎれば翌日の本会議に自動的に付議されるが、本会議の通過は多数党である「共に民主党」にかかっている。「共に民主党」が本会の通過を遅らせれば、予算案は通過せず、新たな会計年度を迎える可能性がある。「共に民主党」不参加の大統領予算案施政演説の滑り出しは思わしくない。準予算を編成する憲政史初の事態が起こらないよう政府と与野党が共に努力することを望む。