「まだ最悪ではない」、IMFが予告した暗鬱な来年の経済
Posted October. 12, 2022 08:30,
Updated October. 12, 2022 08:30
「まだ最悪ではない」、IMFが予告した暗鬱な来年の経済.
October. 12, 2022 08:30.
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国際通貨基金(IMF)は、来年の韓国経済成長率は当初の予想より0.1%ポイント低い2.0%に止まると予測した。新型コロナが発生した2020年を除けば、10年ぶりの最低値だ。米国やユーロ圏、中国の来年の成長率も、各々1%と0.5%、4.4%に止まると予測したIMFは、「まだ最悪は来ていない」と主張した。このような中、韓国の貿易収支の年間赤字は、史上初めて300億ドルを超えた。米国の対中半導体の制裁で世界半導体企業の株価が急落した影響を受け、昨日、総合株価指数(コスピ)は2200ポイント台を割り込み、ドルに対するウォン相場は1ドル=1430ウォン台にウォン安ドル高が進んだ。IMFは、来年の世界経済成長率の予測値を2.7%に0.2%下げた理由として、物価高や中国の不動産暴落、ウクライナ戦争の長期化を挙げた。インフレが続く中、中国経済の30%を占める不動産市場が動揺し、ロシアの天然ガス統制で欧州経済の困難も続くという意味だ。来年、韓国の主要貿易相手国が全て深刻な低迷を体験し、「キングドル」による為替相場の不安と高い輸入原材料価格が続くだろうという意味でもある。韓国経済に迫る危機の兆候も明確になっている。先月まで6ヶ月連続の赤字だった貿易収支は、今月1~10日も38億ドルの赤字を出した。今年に入ってから累積した貿易赤字が327億ドルに増え、グローバル金融危機以降14年ぶりに年間赤字の可能性が高くなった。実体経済だけの問題ではない。今回の危機は、1970年代流のスタグフレーション(景気低迷の中での物価上昇)や1990年代末のアジア通貨危機、2008年のグローバル金融危機が重なった複合危機というのが特徴だ。ドルが底をついた多くの新興国はIMFに救済金融を要請しており、最近ポンド暴落事態を経験した英国は、再び国債価格が暴落し、直ちにでも金融危機に見舞われる雰囲気だ。世界はすでに、金利高・物価高・ドル高が「ニューノーマル」である時代に入った。景気低迷と失業率の増加を甘受してでも、金利を引き上げなければ物価や為替相場まで危うくなる状況だ。その上、輸出主導型の韓国経済は、米・中の技術覇権の戦いの隙間に挟まれ、国際原材料価格の上昇に追い込まれている。今回の危機に賢明に対処できなければ、韓国経済は構造的な低成長の泥沼に陥るだろうという警告が出ている。すべての経済主体がしっかりと決心し、困難を少しずつ甘受してこそ危機を乗り越えることができる。
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国際通貨基金(IMF)は、来年の韓国経済成長率は当初の予想より0.1%ポイント低い2.0%に止まると予測した。新型コロナが発生した2020年を除けば、10年ぶりの最低値だ。米国やユーロ圏、中国の来年の成長率も、各々1%と0.5%、4.4%に止まると予測したIMFは、「まだ最悪は来ていない」と主張した。このような中、韓国の貿易収支の年間赤字は、史上初めて300億ドルを超えた。米国の対中半導体の制裁で世界半導体企業の株価が急落した影響を受け、昨日、総合株価指数(コスピ)は2200ポイント台を割り込み、ドルに対するウォン相場は1ドル=1430ウォン台にウォン安ドル高が進んだ。
IMFは、来年の世界経済成長率の予測値を2.7%に0.2%下げた理由として、物価高や中国の不動産暴落、ウクライナ戦争の長期化を挙げた。インフレが続く中、中国経済の30%を占める不動産市場が動揺し、ロシアの天然ガス統制で欧州経済の困難も続くという意味だ。来年、韓国の主要貿易相手国が全て深刻な低迷を体験し、「キングドル」による為替相場の不安と高い輸入原材料価格が続くだろうという意味でもある。
韓国経済に迫る危機の兆候も明確になっている。先月まで6ヶ月連続の赤字だった貿易収支は、今月1~10日も38億ドルの赤字を出した。今年に入ってから累積した貿易赤字が327億ドルに増え、グローバル金融危機以降14年ぶりに年間赤字の可能性が高くなった。
実体経済だけの問題ではない。今回の危機は、1970年代流のスタグフレーション(景気低迷の中での物価上昇)や1990年代末のアジア通貨危機、2008年のグローバル金融危機が重なった複合危機というのが特徴だ。ドルが底をついた多くの新興国はIMFに救済金融を要請しており、最近ポンド暴落事態を経験した英国は、再び国債価格が暴落し、直ちにでも金融危機に見舞われる雰囲気だ。
世界はすでに、金利高・物価高・ドル高が「ニューノーマル」である時代に入った。景気低迷と失業率の増加を甘受してでも、金利を引き上げなければ物価や為替相場まで危うくなる状況だ。その上、輸出主導型の韓国経済は、米・中の技術覇権の戦いの隙間に挟まれ、国際原材料価格の上昇に追い込まれている。今回の危機に賢明に対処できなければ、韓国経済は構造的な低成長の泥沼に陥るだろうという警告が出ている。すべての経済主体がしっかりと決心し、困難を少しずつ甘受してこそ危機を乗り越えることができる。
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