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プーチン氏最後のチキンゲーム

Posted September. 27, 2022 08:24,   

Updated September. 27, 2022 08:24

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ロシアのプーチン大統領が最後の大反撃に出るだろうとは予想したものの、核の脅威と30万動員令というかなり強硬なカードを出した。ロシアは占領地でロシア併合投票を強行している。ロシアは本土が侵略されれば核使用も辞さないと宣言してきた。投票を経てここがロシア領土だと宣言した瞬間、核使用の大義名分を得ることになる。

戦争の開始以来、ロシアは戦争を遂行するのに必要な兵力に対して判断を誤ってきた。それでも動員令は控えてきた。動員令はプーチン氏の支持率を急落させかねない。統計的に捉えられなくても、戦争で所期の成果を収めても、犠牲者が増えれば増えるほど、ロシア国民の不満と独裁者に対する不安感は大きくなっていくだろう。

30万動員令を下しても、ロシアが実際に戦場に投入する兵力はどれほどだろうか。兵士の数を増やせば増やすほど、既に限界に達している装備と火力、軍需支援は劣悪になり、スターリン式戦争に近づくことになる。そのため、動員令はプーチン氏には地獄に落ちる入り口であり、動員令まで下すことは難しいと考えられてきた。

しかし、動員令は下された。恐らくプーチン氏が望むのは、「私はいかなる非合理的な行動もできる」というメッセージかもしれない。戦争はそれ自体が非合理的な選択であり、すべての解決策の中で最悪の手段だ。逆説的だが、そのゆえ戦争を遂行する方法、過程、戦略・戦術は、できるだけ合理的で、精巧な判断と方法で遂行されなければならない。

しかし、血と命を飲み込む戦争は、結局は怒りと不安に染められ、戦争の遂行方式でさえ理性が追いやられる。「私は何でもできる」。これが独裁者の最後の戦術だ。もし計算された脅迫なら、まだ準備ができていないウクライナ軍の性急な攻撃を誘導しようという希望かもしれない。ウクライナ軍を一度大いに消耗させ、これ以上時間を長引かせたらどんな状況もあり得るという脅迫で戦争放棄を引き出すという戦略かもしれない。しかし、それが成功するだろうか。