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米国務省が尹大統領の対北朝鮮提案に「強く支持」、制裁緩和には強硬

米国務省が尹大統領の対北朝鮮提案に「強く支持」、制裁緩和には強硬

Posted August. 17, 2022 09:03,   

Updated August. 17, 2022 09:03

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米国務省は15日(現地時間)、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が出した対北朝鮮構想について、「北朝鮮と真摯で持続可能な外交の道を開こうとする韓国の目標を強く支持する」と明らかにした。しかし、北朝鮮の非核化措置の初期において対北朝鮮制裁の一部を緩和することに関する質問には、「今のところ完全に仮定」として距離をおいた。北朝鮮がこれまで対話の提案を拒否してきたうえ、追加の核実験および弾道ミサイル実験に出る動きを見せているため、制裁緩和に対しては慎重な態度を見せたのだ。

 

米国務省のプライス報道官は同日、定例会見で、「対北朝鮮制裁は非核化交渉の序盤に緩和されるか」と問われ、「現在の時点では全面的に仮定の質問」とし、「北朝鮮が外交や対話に関心を見せるいかなる信号もあらわれていない」と話した。また、「(北朝鮮との)外交と対話がどのような結果をもたらすか先取りしない」とし、「私たちは現在、そのような状況に到達できていないため」と述べた。

尹大統領は前日、北朝鮮との非核化交渉の初期から北朝鮮の鉱物を食糧、医療装備と交換する「韓半島資源・食糧交換プログラム」を提案した。しかし、北朝鮮の鉱物は、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁品目だ。国連安保理関係者は同日、米政府系放送局のボイス・オブ・アメリカ(VOA)に「鉱物やレアアースなど北朝鮮の制裁品目の代価として食糧や医療装備など非制裁品目を提供することは依然として制裁違反」と指摘した。

 

北朝鮮核問題をめぐる韓米の交渉首席代表は先月22日、インドネシア・ジャカルタで会って、尹大統領の対北朝鮮構想について具体的な水面下の協議を行ったという。にもかかわらず米国務省が対北朝鮮制裁緩和に慎重な態度を見せると、北朝鮮に誤った信号を送る可能性があるという懸念のためという観測が流れている。バイデン米政権は、「条件のない対話」を強調しながらも制裁に対しては強硬な態度を見せてきた。 

 

米国の韓半島専門家たちは、今回の構想が北朝鮮を対話に引き出す誘引策になることは難しいと分析した。ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員は、「過去の政府でも大規模な食糧・経済支援をしたが効果がなかった。一部は制裁緩和を主張したが失敗した」とし、「北朝鮮は(非核化と補償の)『行動対行動』の原則に合意しても、あらゆる対話の提案を拒否している」と指摘した。米ウェブ外交誌「ザ・ディプロマット」は、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長の発言を考えると、北朝鮮はこの構想を考慮すらしないかもしれない」とし、「正恩氏が核放棄を宣言しない限り、この計画は実行されないだろう」と分析した。


ワシントン=ムン・ビョンギ特派員 イ・ウンテク記者 weappon@donga.com · nabi@donga.com