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「カネがないだけで、ガオがないわけじゃない」と言った姜受延、不正義には断固とした態度

「カネがないだけで、ガオがないわけじゃない」と言った姜受延、不正義には断固とした態度

Posted May. 09, 2022 09:10,   

Updated May. 09, 2022 09:10

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「私たち、お金がないだけで、カオ(誇り)がないわけじゃないでしょ」

映画「ベテラン」(2015年)で、刑事ソ・ドチョル(ファン・ジョンミン)が吐いたこの台詞の原作者は、俳優の姜受延(カン・スヨン)氏だ。スタッフの面倒を見る時や私的な席でこの言葉をよく口にした故人は、リュ・スンワン監督と会って冗談のように話した。この言葉が「ベテラン」に出てきて、お金の誘惑にも誇りをあきらめないという意味の名台詞として語られている。

故人は義理堅い性格と人間味あふれる人柄で知られる。姜氏をワールドスターにさせた林権澤(イム・グォンテク)監督に対しては特に格別だった。2008年、釜山(プサン)にある東西(トンソ)大学が林権澤(イム・グォンテク)映画芸術学部を新設すると、故人は特別講演の講師をすべて招待した。林監督は2010年、東亜(トンア)日報とのインタビューで、「(講師料として)数百万ウォンは払わなければならない俳優やスタッフを、みんな受延が連れてくるんです」と話した。

カリスマ性があり、不正義には断固とした態度を示し、「度胸の受延」とも呼ばれた。かつて、制作者が悪い下心で彼女をホテルに呼んだ時、ためらわずに頬を殴った。姜氏は、「女という理由だけで、勝手にされるのは、年齢と地位を問わず受け入れられない」と言い切った。

「大酒」でもよく知られている。映画界の有名な愛酒家たちも、彼女に酒で勝ったことがないという。「坊主頭闘魂」は切り離せない単語。映画「アゼアゼバラヤゼ」で、尼役のために髪の毛をそり落とした姿は。韓国映画史において歴史的なシーンに挙げられる。姜氏は当時、「髪の毛はまた伸びるもの」と、大したことでもないように話した。ドラマ「女人天下」(2001~2002年)では、薄着だけを着て真冬の氷水に長時間入って話題となった。俳優の孫淑(ソン・スク)は、「姜受延こそ俳優だ。他に修飾語などない。全ての人生をあそこに捧げた人だ」と語った。

姜氏は、父親の事業失敗で高校時代から事実上、家長の役割を果たした。これに対し、「家庭環境のために結婚しないのではないか」という質問をよく受けた。姜氏は「決して独身主義者ではない」とし、「結婚して子供も産みたいが、結婚は縁がなければできないことではないか」と答えた。

「堂々たる」とは、故人を表現する言葉だったが、その裏には弱い姿があった。故人は、「いつ一番寂しいか」という質問に、「堂々とした振る舞いをする時、その時が一番寂しい」と語った。


孫孝珠 hjson@donga.com · 李知訓 easyhoon@donga.com