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政権引き継ぎ委員会の初の組閣人事検証、いったい何を見たのか

政権引き継ぎ委員会の初の組閣人事検証、いったい何を見たのか

Posted April. 18, 2022 08:32,   

Updated April. 18, 2022 08:32

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子どもの医学部編入および息子の兵役特恵疑惑が浮上した鄭鎬永(チョン・ホヨン)保健福祉部長官候補は17日、記者会見を行い、「地位を利用したいかなる不当行為もなかった」と主張したが、疑惑は晴れていない。金仁喆(キム・インチョル)教育部長官候補は、大学総長在職時にいわゆる「金のさじと箸」の学生を全数調査したことが物議をかもしている。韓徳銖(ハン・ドクス)首相候補ら国務委員候補19人のうち6人と金大棋(キム・テギ)秘書室長内定者は、大企業と金融会社の社外重役を務め、利害衝突が懸念されている。

果たして候補に対して事前に十分な人事検証が行われたのか疑問だ。鄭氏は、長官指名の前日に検証同意書を引き継ぎ委員会に提出し、お粗末な検証論議が起こった。チャンネルAの報道によると、鄭氏は指名2日前の夜に政権引き継ぎ委員会から連絡を受け、翌日に検証同意書を提出した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は日曜日の10日、長官候補を公表した。土曜日一日だけでは事実上、候補が提出した資料を客観的に検証し、評価を照会する時間は十分にない。常識的に見て、尹政府の初代国務委員候補と大統領室内定者の中で鄭氏だけがそのような不十分な過程を経たと考えることはできない。

政権引き継ぎ委員会は、過去に人事検証の経験がある検察や警察、国税庁からの派遣を受けて別途に人事検証チームを構成した。5年間、お粗末な検証で議論を呼んだ文在寅(ムン・ジェイン)政府よりも具体的な検証同意書を準備したと自負した。政権引き継ぎ委員会の法改正で、今回から現政権の人事記録と人事管理システムを閲覧でき、鄭氏の検証では朴槿恵(パク・クンへ)、文在寅政府の検証資料を活用したと政権引き継ぎ委員会が明らかにした。検証環境が良くなったにもかかわらず、検証に穴が空いたのは、当選者の考えに合うよう検証する振りだけしたためではないのか。

尹氏は、40年来の親交がある鄭氏をめぐる論議について、「不正のファクトが確かでなければならないのではないか」とし、辞退のガイドラインを提示するような発言をした。公職候補の辞退は、刑事法廷のように犯罪の有無で決まるのではない。国会人事聴聞会の制度ができて以降、高位公職者に対する国民の目はますます厳しくなっている。公正と常識を掲げた尹政府の政権引き継ぎ委員会は、高まった国民の意識を考慮して検証基準をさらに高め、徹底したシステム検証を通じて公職候補を選ばなければならない。