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北朝鮮核問題から4強外交へ、尹次期大統領は整ったメッセージで転換を準備せよ

北朝鮮核問題から4強外交へ、尹次期大統領は整ったメッセージで転換を準備せよ

Posted March. 14, 2022 09:03,   

Updated March. 14, 2022 09:03

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尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は12日、徐薫(ソ・フン)大統領府国家安保室長から最近の北朝鮮の動向やウクライナ事態など主要な外交・安全保障の懸案に関して説明を受けた。これには最近の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射準備や核施設稼動の再開、金剛山(クムガンサン)の韓国側施設撤去の情況などが含まれたという。尹氏側の金恩慧(キム・ウンヘ)報道担当は、「今のところ立場を明らかにすることはできない」としつつも、「北朝鮮が完全な非核化に向けた対話に臨むことを願う」と述べた。

尹氏が外交・安全保障懸案の発言を控えることは注目に値する。尹氏は大統領選で、現政権の対外政策を鋭く批判し、大転換を予告した。しかし、大統領就任までは依然として「現大統領の時間」であるため、まずは安全保障の現実を正確に把握し、対外政策を整える時間を設ける考えのようだ。新旧の権力が同居する期間に不協和音を露呈することが国益に役立たないことは言うまでもない。

尹政権の対外政策基調は、文在寅(ムン・ジェイン)政権と大いに異なるだろう。何より対北朝鮮政策では相互主義による原則的アプローチを掲げてきたことから、現政権の「対話優先」基調は変化が避けられない。北朝鮮は韓国の政権交代の時期に常にそうしたようにレッドライン(禁止線)を越える挑発を準備し、強対強の対峙に引き込む構えだ。尹氏が強調したように新政権の外交は、北朝鮮の非核化圧迫に向けた「周辺4強」中心へと転換されるほかない。

尹氏は大統領選の間、文政権が親北朝鮮、親中国に偏り、韓米同盟が崩壊したという認識を繰り返し示した。それゆえ、外交の優先順位も韓米同盟と韓米日協力強化になる見通しだ。しかし、このような基調は中国との摩擦を生みかねない。何より高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD)の追加配備の公約は深刻な問題になるだろう。日米との強化に劣らず中国との調和に向けたきめ細やかな関係の再設定が必要だ。

尹氏は、世界的大乱の時期に大統領を務めることになる。米中戦略競争が日増しに激しくなり、ロシアが戦争まで起こし、世界は断絶と分裂の新たな冷戦に突き進んでいる。そのうえ核を持つ北朝鮮を頭上に置いた韓国は、地政学的に対決の断層線の上に置かれている。このような混乱期に言うべきことは言う堂々とした外交とともに、国益のための賢明な外交も必要だ。その開始は、選挙用の言葉をメッセージに整え、有能な外交操舵手を見つけることだ。