韓国大統領選の保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦（ユン・ソクヨル）前検事総長と中道野党「国民の党」候補の安哲秀（アン・チョルス）代表が、事前投票前日の３日、野党候補の一本化を宣言した。安氏が同日、尹氏への支持を宣言して候補を辞退したことで、９日投開票の大統領選は事実上、与党「共に民主党」候補の李在明（イ・ジェミョン）前京畿道（キョンギド）知事と尹氏の２者対決構図となった。終盤の最大変数とされた野党候補の一本化が劇的に実現し、与野党は大統領選に及ぼす影響に神経を尖らせている。
尹氏と安氏は同日午前８時、国会疎通館で記者会見を行い、「より良い大韓民国を築く『より良い政権交代』に向けて思いを一つにした」とし、「われわれ２人はワンチームだ」と述べた。「より良い政権交代」は安氏のキャッチフレーズ。２人はまた、「互いの足りない部分を補って必ず政権交代を成し、相互補完的に有能で準備された政府を通じて、必ず成功した政権を築いていく」と強調した。
両者は共同宣言文で、「２人が共に作ろうとする政府は、未来志向的であり、改革的な国民統合政府」とし、「この４年半の間、ネロナムブル（自分がやればロマンスだが、他人がやると不倫）、偽りと偽善、不公正など、正常でないすべての国政運営を正常にする」と強調した。また「（政権）引継ぎ委員会と共同政府の構成を共に協議する」と明らかにした。
両者は、「ワンチーム」に向けて選挙後に党の合流を推進することを決めた。安氏は、「私がしたいことの１つは、『国民の力』をより実用的で中道的な政党に変化させること」とし、今後、党代表に挑戦する可能性も示唆した。安氏は同日１２時３０分、中央選挙管理委員会に候補辞退を届け出た。
野党候補の一本化は、尹氏側「国民の力」の張済元（チャン・ジェウォン）議員と安氏側「国民の党」の李泰珪（イ・テギュ）議員が２日夜遅くに会って突破口を開き、３日未明、両候補が会合し、実現に至った。
「共に民主党」は、一本化の波及力を警戒している。同党の禹相虎（ウ・サンホ）総括選対本部長は、「２候補の一本化を『ポスト分け合い』の野合」と批判した。ただし、李氏は、「政治は政治家がするようだが、実際は国民がする。歴史と国民を信じる。民生経済、平和、統合の道を屈することなく歩いていく」と述べた。革新系野党「正義党」候補の沈相奵（シム・サンジョン）元代表は、「両党の間に私一人が残った。使命感を持って最善を尽くす」と述べた。
張寬錫 jks@donga.com · 許桐準 hungry@donga.com
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