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ヴェルディとワーグナー、そしてオペラ

Posted October. 30, 2021 08:21,   

Updated October. 30, 2021 08:21

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ソウル大学作曲科教授である著者が、クラシック音楽の入門者のために書いたシリーズの6作目。今回の授業の主人公は、ジュゼッペ・ヴェルディとリヒャルト・ワーグナー。オペラの大家に挙げられる2人の作曲家の誕生と成長をはじめ、作品世界に影響を与えた当代の哲学思潮や周辺人物とのエピソードなどが読みやすく書かれた。以前のシリーズと同様、著者と対話をするような問答形式で構成された。

イタリア出身のヴェルディとドイツ出身のワーグナーはいずれも1813年に生まれた。同年齢の2人の音楽家は、活動時期もほぼ同じ。互いの存在は知っていたが、生涯一度も会ったことがなかった。著者はむしろ、2人が相手について言及すらしないほど無視する間柄だったと指摘する。

 

2人の音楽スタイルと作品の内容が大きく異なったため、世間では2人を絶えず比較した。著者は、「ヴェルディが土のにおいがする民衆の保護者だったなら、ワーグナーは独善的耽美主義者だった」と説明する。本には、主要曲についての説明にQRコードがついていて、オペラ音楽と映像を同時に鑑賞できる。似ていながら明確に異なる2人は、人類史に長く残るオペラの傑作を作った。彼らが作ったオペラの曲は後代に多大な影響を及ぼし、今日のミュージカルなど公演芸術にも濃厚な香りを残した。


キム・ギユン記者 pep@donga.com