「これまでアフガニスタンの女性たちは多くのことを成し遂げたが、これからまた原点だ。私たちは振り出しに戻った」
アフガン出身のアリアナテレビの記者、ナジラ・カリミさんが16日(現地時間)、米国防総省のブリーフィングルームで涙声でこのように話し、タリバンが掌握した故国の状況に絶望した。
カリミさんは、国防総省のカービー報道官に質問し、「私はアフガン出身だ。一夜にしてタリバンが戻って来るとは考えもしなかった」と話した。そして、マスクに描かれたアフガン国旗を示し、「これが私の国旗だ。タリバンが私の国旗を持ち去り、自分たちの旗を掲げた」と涙を流しながら話した。
英紙デイリー・メールによると、カリミさんはアフガンで記者生活を始めた。タリバンはカリミさんが「女性記者」という理由で殺すと脅迫し、家族にまで嫌がらせをした。カリミさんは1990年代末、夫と共にパキスタンを経て米国に逃れた。タリバンはアフガンに残っていたカリミさんの兄の足首を切り、母親と妹を暴行した。
カリミさんは15日、アフガンのガニー大統領が大量の現金を持ってウズベキスタンに逃げたことに対して、「タリバンに対抗して共に戦おうと言った大統領は一体どこにいるのか。国民は大統領が共に戦うと思っていたのに逃げた」と憤った。
カービー氏は、カリミさんが話している間、辛い表情で、時折り目を閉じた。カービー氏は、「私もガニー大統領がどこにいるのか、彼の考えが何なのか正確には話せない。ただし、あなたたちの不安、恐怖、苦痛を理解する。それは確かで明白だ」と慰めた。また、「ここペンタゴンの誰もが最近の数日間の状況を心安らかに見られずにいる」と複雑な心境を表した。
李恩澤 nabi@donga.com