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ゴミで作られた芸術

Posted August. 05, 2021 09:35,   

Updated August. 05, 2021 09:35

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大人一人が一日に出すごみの量はどれくらいかだろうか。それを捨てずに6カ月ほど集めたら? この疑問を解消するために直接実験した芸術家デュオがいる。英現代美術家のティム・ノーブルとスー・ウェブスター。彼らは職業精神を生かし、自分たちが捨てたゴミを集めて、素敵な芸術作品まで作り出した。それも自分たちの自画像を。

ノーブルとウェブスターは1986年、美術学部の同期で初めて会って以来、恋人であり作業パートナーとして活動している。貧しい無名芸術家カップルにとって、ゴミより手に入れやすい材料はなかったはずだ。1996年、「英国のごみ」というタイトルの初の個展が成功し、注目され始めた。1997年から照明を利用した彫刻を作り始め、ゴミの山に照明を当てた「影の彫刻」で国際的な名声を得た。「汚れた白いゴミは初期の代表作で、2人が6カ月間排出した生活ゴミを山のように積み上げた作品だ。ここに光を当てると、驚くことに背中をお互いにもたれ合ったまま、ワイン一杯とタバコを楽しむカップルの影が壁に映る。

反芸術、反美学を打ち出したこの影像は、嫌悪感を抱きながらも魅力的で、抽象彫刻であると同時に写実的な肖像画だ。プラトンの「洞窟寓話」に対する美術的再解釈でもある。地下の洞窟に一生閉じ込められ、体中が縛られた人々は壁に投影された影が物の実在だと錯覚しながら生きていく。同様に、現代の鑑賞者たちも、芸術の本質を見ようとせず、影のような幻影が本物だと信じて熱狂する。

古代哲学者が洞窟の中の収監者を無知な大衆にたとえたとすれば、現代美術家は「芸術は美しく純粋なもの」という幻想と偏見に厳しい忠告を与える。芸術家は、ゴミも魅力的な芸術に変身させる魔法使いだが、逆にロマンチックな日常と創作活動のために絶えずゴミを量産する環境破壊者である可能性があるという点を悟らせる。動物の死体まで含まれている恐ろしいゴミの山は、私たちがそっぽを向きたい不便な真実の顔なのだ。

美術評論家