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コロナ・物価・金利の3重苦、スタグフレーションに備えるべき時だ

コロナ・物価・金利の3重苦、スタグフレーションに備えるべき時だ

Posted July. 30, 2021 08:22,   

Updated July. 30, 2021 08:22

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領は昨日、大統領府で「民生経済閣僚会議」を主宰した。大統領が6月末、下半期の経済政策方向を定めながら予測したものとは異なる方向へと展開される経済状況に対応するためと見られる。1カ月前、大統領は「経済回復のテンポが予想より一段と速い。今年の成長率が当初目標の3.2%をはるかに超え、4%超過が期待できるようになった」とし、景気回復に自信を示した。

その後、第4次大流行が本格化し、経済は再び不確実性の中に落ちている。何よりも消費の落ち込みが深刻だ。6カ月連続上昇していた消費者心理指数は、7月に急激に落ち込んだ。午後6時以降、3人以上の会合が禁止され、夜の商売ができなくなった自営業者らは、次々と廃業に追い込まれている。半導体の不足で、第2四半期の輸出の伸び率も1年ぶりにマイナスに落ち込んだ。

さらに、景気回復に弾みがついた米国の連邦準備制度(FRB)が、緊縮時期を繰り上げるだろうという展望が強まり、国内銀行の6月の住宅ローンの金利が2.74%で、1カ月で0.05%上昇した。韓国銀行が予告した通り、年内に基準金利を引き上げ始めれば、「無理して」「借金」で住宅を購入し、株式に投資した家計、特に20代や30代は急激な利息負担の増加で「負債爆弾」を抱えることになる。弱り目に祟り目で、新型コロナ、異常気象で各国の農業生産に影響が出たことから始まった「アグフレーション」(農業:agriculture+インフレーション)のため、野菜、肉類、ラーメンなどの消費者物価が高騰し、政府の政策失敗による住宅価格や伝貰価格の上昇も止まる気配がない。

経済専門家の間では、現在のような状況が長引けば、韓国経済は「スタグフレーション(景気低迷中の物価上昇)」に陥るだろうという懸念が高まっている。同日、大統領も国際通貨基金(IMF)が韓国の今年の成長率予測値を4.3%に引き上げたことを紹介しながらも、「防疫に成功できなければ保障できない」と述べた。現在の状況が期待通り「短くて太く」終わらない可能性もあるという意味だ。

状況がこのようなだけに、政府は長期戦を準備しなければならない。自営業者の営業制限が終わらない時に備えて、財政余力を残しておかなければならない。今のように補正予算を繰り返し、国民に災害支援金をばら撒いても、消費は蘇らず、国の借金のみ膨らみかねないからだ。中小企業・小商工人向け融資の元利金返済猶予期間が終わる9月には、限界企業の構造調整も推進しなければならない。何よりも最後の砦である国の財政が政界の影響に振り回され、不良化しないよう財政準則の導入を急がなければならない。