Go to contents

文大統領の訪日見送り、葛藤の悪循環を断つことがこれほどまでに難しいのか

文大統領の訪日見送り、葛藤の悪循環を断つことがこれほどまでに難しいのか

Posted July. 20, 2021 08:26,   

Updated July. 20, 2021 08:26

한국어

東京五輪・パラリンピックを機に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が日本を訪問する計画が見送られた。大統領府は19日午前、読売新聞の23日の韓日首脳会談開催報道に対して「決定されたことはない」と線を引きながらも、実現の可能性を排除しなかった。日本政府も、在韓日本大使館総括公使の不適切発言に対して繰り返し遺憾を表明し、責任を問うて更迭する意向も示した。しかし、大統領府は午後遅く「日本を訪問しないことを決めた」と最終発表した。

文大統領の訪日による両国の外交協議が実現しなかったことで、韓日の葛藤の溝が深いことが改めて確認されたといえる。19日は五輪開会式の4日前、すなわち海外からの入国者に対する3日間の隔離という感染対策基準に従えば、韓国の実務陣が出発する1日前で、事実上、文大統領の訪日決定のデッドラインだった。韓日政府は、終盤まで首脳会談の日程と議題、時間、儀典などをめぐって意見をすり合わせてきたが、調整に失敗したのだ。

東京五輪を機に文大統領が日本を訪れることは、両国政府が国交正常化以来最悪という韓日関係を修復することができる貴重な機会として注目された。両国では早くから文大統領と菅首相が退いてから両国関係は正常化できるという声もある。しかし、韓日対立が今のように続く場合、未来の両国関係に大きな汚点になるという点で、どうにか反転の契機を設けなければならないという共感の下、協議が進められてきた。

しかし、今回も韓日両国が2018年から3年近く続いた自尊心争いと感情的争いの壁を越えることができなかった。先月、英国で開かれた先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)でも韓日は略式首脳会談で暫定合意したものの実現せず、相手に遺憾の意を表し、神経戦を繰り広げた。今回も、両国政府がどのような説明をして責任を転嫁するのか懸念される。今回の首脳会談見送りは、隣国として最低限の信頼もない今の韓日関係を如実に物語る。

実際、韓日両首脳が会ったからといって、長い間の屈曲の歴史の中で生じた葛藤が解決されるわけではない。韓日の葛藤懸案、特にその根源である過去の問題に対する外交的解決は、双方が満足する合意点を見出すことが容易ではない。ただし、両国間の最低限の信頼を構築し、そうすることで事あるごとに衝突して葛藤と対決の悪循環を繰り返す関係から抜け出さなければならない。今後、両国首脳は反転の機会を模索しなければならない。