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米、北朝鮮国籍の実業家を拘束 米朝間の新たな雷管に浮上

米、北朝鮮国籍の実業家を拘束 米朝間の新たな雷管に浮上

Posted March. 23, 2021 08:13,   

Updated March. 23, 2021 08:13

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米連邦捜査局(FBI)が、対北朝鮮制裁を違反した疑いでマレーシアで逮捕され、米国に引き渡された北朝鮮国籍の実業家ムン・チョルミョン被告(56)を拘束した。バイデン政権が、対北朝鮮政策の見直しの結果の発表を控えている状況で、ムン被告の米国内の身柄処理は今後の米朝関係のさらなる雷管として作用するとみられる。

21日(現地時間)、AP通信によると、資金洗浄などの疑いを受けているムン被告は、マレーシア最高裁の決定により米国に引き渡され、20日にFBIによって拘束された。北朝鮮国籍者が裁判を受けるために米国に引き渡されたのは初めて。

 

ムン被告の弁護士によると、ムン被告は米国内で公正な裁判を受けられないことを心配しており、マレーシア政府の引き渡し決定は北朝鮮のミサイル計画の中止を迫るための政治的な目的でなされたと主張している。ムン被告は自身への容疑を全て否認している。米司法省は、この件に関するメディアの質問に回答を拒否したと、AP通信は伝えた。

マレーシアで10年ほど居住してきたムン被告は、酒や時計など国連の対北朝鮮制裁で禁止されている奢侈品をシンガポールの会社を通じて北朝鮮に送り、幽霊会社を通じて資金洗浄をした疑いを受けている。ワシントン連邦裁判所は、資金洗浄の疑いで2019年5月に逮捕状を発行し、FBIはマレーシア政府にムン被告の身柄の引き渡しを要請した。その後、ムン被告は現地で逮捕されたが、米国への引き渡しを拒否し、2年近く法廷攻防を繰り広げた。マレーシア最高裁は今月初め、最終的に引き渡しを決定した。

北朝鮮は、米国のムン被告拘束と裁判に強く反発するものと予想される。北朝鮮は19日、ムン被告を米国に引き渡したことを理由に、マレーシア政府との外交断絶を宣言し、米国に対しては「背後操縦者、主犯である米国も代価を支払うことになるだろう」と警告した。

マレーシアの北朝鮮大使館に勤める外交官とその家族30人余りは、マレーシア当局が48時間以内の国外退去を命じて外交断絶措置に応酬したことで、2日後に国外へ退去した。

このような北朝鮮の激しい反応を見ると、ムン被告に対する裁判の過程と判決によって、今後の米朝間交渉が難しくなる可能性が高い。ムン被告に適用された容疑が制裁違反に関連したものであるうえ、北朝鮮国籍者が東南アジアから米本土に引き渡された今回のケースが今後類似の事件にも適用される可能性があることから、北朝鮮は特に敏感に反応している。


ワシントン=イ・ジョンウン特派員 lightee@donga.com