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仁川空港が水に浸る?

Posted November. 28, 2020 09:15,   

Updated November. 28, 2020 09:15

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2020年10月に衝撃的な映像が公開された。2030年に、韓半島が大洪水で水に浸かるシミュレーションの映像だった。大洪水で仁川(インチョン)空港に係留している巨大な飛行機や施設が、水に浸っている。グリーンピースソウル事務所が、「2030の韓半島の大洪水シナリオ」というタイトルでソーシャルメディアに投稿したこの映像は、気候変動研究団体「クライメイト・セントラル」の研究をもとにしたものだ。

「本当に台風や洪水によって、仁川空港が水に浸ることができますか?」。知り合い知人の何人かが、この映像を見て電話してきた。「2030年以前でも、仁川空港が水に浸る可能性がある」という筆者の答えは話にならないという。どうして、国の関門である国際空港が水に浸ることができるかという。

2010年代に入ってきて、気候変動のテンポが速くなっている。気温の上昇は、より多くの水蒸気を含有するので、大雨を作る。海水温度が上昇してスーパー台風が作られる。氷河が急速に溶けて、海面が急速に上昇している。強い台風や大雨が降れば、低い地域は水に浸るしかない。10年以内に、仁川空港が水に浸るということは、決して誇張ではない。

それでは、台風や洪水によって国際空港が水に浸かったことがあるか?2011年、大洪水でタイ全国土の80%が水に浸かった際、タイの第2の空港であるドンムアン空港が水に浸って、一週間空港が閉鎖された。2018年、インドに「100年ぶりの大洪水」が襲われて、ケーララ州コーチ国際空港が12日間閉鎖された。2018年、台風「つばめ」が日本を襲って、大阪の関西国際空港の滑走路が水に浸った。さらに、関西空港と海の向こうの陸をつなぐ橋に、強風に襲われたタンカーが衝突して、空港へのアクセスまで不可能となった。2019年、スーパーハリケーン「ドリアン」が、カリブ海の島国・バハマを襲った。時速297キロの強風と800ミリを超える豪雨、そして高潮により、グランドバハマ国際空港の滑走路と主要施設が水に浸かって空港は閉鎖となった。

空軍の飛行場も、洪水と台風で大きな被害を被る。2002年、韓国の台風史上最大の被害をもたらした台風「ルサ」が韓半島を襲った。当時、一日に870ミリを超える豪雨で、江陵(カンルン)戦闘飛行団が水に浸った。滑走路はもちろん、一般オフィスが全て水に浸かったが、これにより、多くのF-5戦闘機まで水に浸かってしまった。2019年10月に襲った台風「ミタク」により、江陵戦闘飛行団が再び水に浸かったが、幸いなことに、当時は戦闘機の浸水被害はなかった。米国でも、戦闘飛行団がハリケーンで大きな被害を受けた事例がある。2018年、スーパーハリケーン「マイケル」が、時速250キロの強風と1000ミリを超える豪雨を伴って、フロリダ州ティンダル空軍基地に配置されていたF-22のラプターが大きな被害を被った。世界最高のステルス戦闘機17機が被った被害額だけで、なんと2兆2000億ウォンを超えた。

今年発生した世界的な気候災害は、気候危機の序幕にすぎない。本格的な災害が始まれば、仁川空港が水に浸かることでは終わらないだろう。政府と国会、企業と国民の気候変動に対する革命的な認識転換が必要な理由だ。