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支持率差で焦ったトランプ氏、入院中に車列で外出

支持率差で焦ったトランプ氏、入院中に車列で外出

Posted October. 06, 2020 07:52,   

Updated October. 06, 2020 07:52


米大統領選まで1ヵ月も残っていない状況で新型コロナウイルスの感染で入院中のトランプ大統領が、病院前に集まった支持者に挨拶するために外出し、「狂気だ」と激しい批判を受けた。民主党大統領選候補のバイデン氏との支持率の差が最大14ポイントまで開いたという世論調査が出てくると、焦るあまり強引な行為に出たとみられる。

4日、AP通信やCNNなどによると、トランプ氏は同日午後、入院しているメリーランド州のウォルター・リード陸軍病院の前に集まっている支持者に挨拶するために大型SUV(スポーツ用多目的車)に乗って病院の外に出てきた。自身のツイッターに投稿した73秒の動画を通じて病院の外の支持者に「サプライズ訪問」すると明らかにした直後だった。トランプ氏はこの動画で、「私は新型コロナについて多くを学んだ」と話した。

車に乗って支持者の前を通過したトランプ氏は、マスクをして後部座席に座り、歓呼する支持者を見て手を振った。窓は閉まっていた。支持者との直接の接触はなかったが、新型コロナウイルスの感染拡大を阻止するための基本原則を大統領が破ったという批判が起きている。新型コロナウイルスの感染者はさらなる感染を防ぐために原則的に完治するまで外出してはならない。

 

特に、トランプ氏と同じ車に乗った2人の大統領警護隊員を感染の危険にさらしたと批判を受けている。警護隊員もマスクを着用していたが、狭い車内では感染の可能性を排除できない。同病院のジェームズ・フィリップス医師は、CNNに「車に乗っていた警護隊員らは命を危険にさらすよう命じられた。これは狂気だ」と非難した。ジョージ・ワシントン大学のジョナサン・ライナー教授は、英紙フィナンシャル・タイムズに、「大統領が病院の外で『楽しいドライブ』をし、警護隊員を深刻な危険にさらした」と指摘した。

 

トランプ氏は早期退院も検討しているという。トランプ氏の治療を担当する医師団は記者会見で、「(健康状態が)良ければ、早ければ5日にも退院できる」と話した。ロバート・オブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)ら参謀陣も「大統領の状態が良い」とし、懸念を払拭させるメッセージを出した。正常に勤務する姿を見せる「コロナ広報」が続くという観測も流れている。

こうした中、バイデン氏との支持率の差がさらに広がったことを示す結果が相次いで出ている。米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとNBC放送が9月30日~10月1日、米全域の有権者800人に実施した世論調査の結果、バイデン氏の支持率は53%で、トランプ氏(39%)を14ポイントリードした。テレビ討論前の先月13~16日の世論調査では、バイデン氏が8ポイントリードしたが、討論後に差が広がったのだ。

 

ロイター通信が世論調査機関イプソスとともに、トランプ氏の感染が確認された後、2、3日に実施した世論調査では、バイデン氏が51%の支持率で41%を記録したトランプ氏を10ポイントリードした。同機関で9月25~29日に調査した時には9ポイント、9月18~22日の調査では8ポイントの差だった。

英国の時事週刊誌エコノミストが米コロンビア大学応用統計学センターと共に作成したモデル予測値によると、5日現在、バイデン氏が勝利する確率は89%、トランプ氏が勝つ確率は11%となった。


イ・セヒョン記者 ニューヨーク=ユ・ジェドン特派員 turtle@donga.com /jarrett@donga.com