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私たちも「男と同じように」、W杯ヒーローたちの反乱

私たちも「男と同じように」、W杯ヒーローたちの反乱

Posted July. 13, 2019 09:27,   

Updated July. 13, 2019 09:27

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1992年に大ヒットしたドラマ「息子と娘」は双子兄妹の「貴男(キナム)」と「後男(フナム)」の成長物語だ。7代続きの一人息子は名前からして「貴い男の子」だ。同じ日に生まれた双子の娘は、「次は男の子を産む」と決心させる存在だ。後男は貴男に全てをかけた親のせいで、大学進学の機会さえ諦めざるを得なかった。当時視聴率が60%を超えたというから、「後男」の物語はドラマだけに存在する世界ではなかったと見るべきだろう。

家族の投資対象から排除され、実力で自分を証明するために必死で生き抜く「私も後男」たちの物語は2020年を目前にした今も実在する。両性平等の文化が私たちより大きく進んでいる米国でも、女性たちは投資価値の低い「2等市民」扱いを受けていると鬱憤を爆発させている。7日(現地時間)に終わった女子ワールドカップ・フランス大会で2連覇を果たした米国女子代表チームは今年3月、米国サッカー協会を相手に性差別に抗議して訴訟を起こした。

英紙ガーディアンによると、同協会は女子代表チームがW杯で優勝すれば20万ドル(約2億4000万ウォン)の報奨金を支払うという。男子は110万ドル(約13億ウォン)で5倍超だ。今年女子W杯の賞金総額は3000万ドル(約353億7000万ウォン)だ。2018年の男子W杯の7.5%だ。米サッカー協会は、女子競技は収益が少なく視聴率も低いため報奨金が少ないと説明したが、米国メディアは同協会の財務報告書を引用し、女子代表チームは2015年W杯で優勝してから3年間、男子代表より多くの収益を上げたと報じた。Tシャツも女子チームのものがもっと売れた。今回女子W杯決勝の米国内視聴率は2018年男子W杯決勝より高かった。

米女子代表がスポーツ市場の仕組みへの理解がないまま、お金だけを求めていると批判する男性たちもいる。彼女たちが要求したのはお金が全てではなかった。W杯で優勝しても報奨金はもちろんのこと練習施設や旅行契約、メディカル面の支援など各種投資で差別的待遇を受けているというのが、女子選手たちの不満だ。女子代表の主将ミーガン・ラピノーは、「公正な賃金を支払うことは報酬以上だ。男女に同等の投資と支援、配慮と知的能力を与えられるまで、私たちの潜在能力が何かを知らなかった」と話した。

ウォールストリート・ジャーナルは米国の大学がスポーツ選手の奨学金を男女同数に提供するよう義務付けた1972年の民権法を、米国女子サッカーの成功秘訣に挙げた。少数のエリート中心となっている欧州とは違い、米国では同法によって多くの女子学生たちがスポーツ活動に参加し、優秀な選手たちが自然と発掘されるようになったのだと言う。実際、マンハッタンの都心やカリフォルニア州の小さな町でもサッカーボールを持っている女子学生を難なく見かける。

女性たちが昇進と報酬の「ガラスの天井」を打ち破るためには、投資と機会の面で女性を排除する「後男の呪い」から解かなければならない。成果に対する正当な報奨という結果だけを語るのでは限界がある。スポーツに限った話ではない。女性たちを役員クラスの幹部に成長させるリーダーシップ教育にどれだけ投資しているのか、未来の労働市場で脚光を浴びる人材である「科学、技術、工学、数学(STEM)」分野の女性人材の育成に、私たちはどれだけ投資をしているのかを反省し、変えていかなければならない。

米女子サッカー代表チームは10日の午前、ニューヨーク・マンハッタン南端のボウリング・グリーンからシティホール・パークまでのブロードウェイ「英雄たちの峡谷」をトロフィーを掲げながらパレードした。ヒーローたちを迎えたニューヨーク市民たちは、「公正は報奨」「彼女たちに支払え(Pay Them)」と叫んだ。彼女たちは4年前も、大勢の人々に囲まれた中でトロフィーを掲げて、この峡谷の主役としてパレードした。現実は、彼女たちを真の英雄として待遇しなかった。次の4年、またその次の4年後は、恐らく違うだろう。


朴湧 parky@donga.com