
北朝鮮芸術団の26日の中国・北京の国家大劇院での公演は、観覧客が携帯電話を持って入ることもできない厳戒な統制の中、行われた。観覧客も中国共産党員やその家族、北朝鮮人に制限された。
牡丹峰(モランボン)楽団出身の有名女性歌手が登場する北朝鮮芸術公演団は、一般の中国人には公演場所や日程すら知らされなかったこの公演で、「朝中友好は永遠」と叫び、「北朝鮮社会主義を絶対に放棄しない」と声を上げた。
公演は、午後7時半から9時10分頃まで続いた。東亜(トンア)日報・チャンネルA取材陣が入手した公演パンフレットによると、公演は「朝中親善は永遠」の合唱で始まった。公演開始の時、北朝鮮人民軍の制服を着た功勲国家合唱団がこの歌を歌い始めた。北朝鮮芸術団は、中朝友好を強調するために北朝鮮と中国の歌を交替で歌った。
昨年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪の時、韓国で公演した歌手のリュ・ジンア、キム・ユギョン、ソン・ヨンなどが北朝鮮社会主義を放棄しないという宣伝歌謡を続けて歌い、目を引いた。彼らは、「黒い雲を追い払い、誘惑の風が吹いても/社会主義第一」(「社会主義守ろう」)、「社会主義は私たちの生命」(「社会主義唯一の道」)、「守れば勝利、捨てれば死」(「社会主義守ろう」)などが続いた。
北朝鮮芸術団を率いたとされた玄松月(ヒョン・ソンウォル)氏は、公演案内パンフレットには登場しなかった。公演会場で会った中国側関係者は、「27、28日にも午後7時半に公演するが、一般人には非公開」と話した。習近平国家主席は28日の最後の公演を観覧すると予想される。
同日、北朝鮮芸術団が公演した国家大劇院オペラホール約2200席が満杯になった。中国側関係者は、「観覧対象は(中国党・政・軍)関係者」と話した。中国当局は、チケットの譲渡を防ぐために、実名制の入場方式まで導入した。東亜日報・チャンネルAが確認した公演チケットによると、観客は身分証を持参しなければならず、「携帯電話の保管」も求められた。観客の公演撮影を完全に遮断するためだ。
北朝鮮芸術団公演は基本的なセキュリティ検査の後も公演会場の入場時に再び保安員が身分証の検査と顔面認識装置でチケット発行者と同一人物かどうかを確認した。同一人物と確認できなかった観覧客の入場は拒否された。現場で会った北朝鮮側関係者は、「どんな人が公演を見にきたのか」と問われ、「何を質問されても答えることはできない」と口を閉ざした。
尹完準 zeitung@donga.com






