Go to contents

マレーシア裁判所「正男氏暗殺、計画的共謀」

マレーシア裁判所「正男氏暗殺、計画的共謀」

Posted August. 17, 2018 10:05,   

Updated August. 17, 2018 10:05

한국어

昨年2月、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏を殺害した疑いで起訴された2人の女に対して、「有罪の証拠は十分」という裁判所の判断が下された。事件が発生したマレーシアの裁判所が、2人の犯行を「計画的な共謀」と表現し、事実上、検察側の主張をほぼ認めた。

AP通信によると、マレーシアのシャー・アラム高等裁判所は16日、裁判でインドネシア人のシティ・アイシャ被告(26)とベトナム人のドアン・ティ・フォン被告(30)が北朝鮮の男らと「計画的に共謀」して正男氏を殺害したと推認できると判断した。裁判官は、「検察側が『反証がない場合、有罪が確定する可能性がある』という主張を展開した」とし、被告側に反論するよう要請した。

 

まだ有罪判決が下されたわけではないが、被告側からの適切な反証がない場合、裁判所の判断を覆すことは難しい状況だ。被告側の反証の機会は11月と来年2月に与えられる。判決が下されるまで今後数ヵ月以上かかると予想される。

●裁判所「犯行後に手を洗ったことは非常に不自然」

2人は昨年2月13日、クアラルンプール国際空港で正男氏の顔に猛毒「VX」の液体を塗って逃げた。裁判所は、2人が△VXが体に吸収されやすいまぶたを集中的に狙ったこと、△犯行直後にトイレで手を洗ったことを正男氏への殺意が推認できる重要根拠に挙げた。裁判官は、「(犯行後)急いでトイレに向かい、毒を落とすために手を洗ったことは明らか」と指摘した。

2人がドッキリ番組の収録だと思っていたという弁護側の主張も受け入れられなかった。裁判官は、ドッキリ番組の収録にいるべき撮影スタッフがいなかった点を指摘した。ただ、裁判所は、検察側が監視カメラの映像だけを根拠に主張を展開し、証人が一人もいないことは検察側の主張を弱めると説明した。

●北朝鮮の「政治的暗殺」の主張には「具体的な証拠が不十分」

 

裁判所が、「(被告が)特定行為を行った理由を説明する義務は被告側にある」と明らかにし、弁護側の立場は苦しくなった。弁護側は、編集された監視カメラの映像だけでは殺意は把握できず、被告が犯行後、服を着替えていないことなどを証拠に提示したが、受け入れられなかった。

 

マレーシア当局が裁判が政治化することを警戒する中、本当の犯人は逃走した8人の北朝鮮の男らであると強調する弁護側の主張も受け入れられなかった。裁判所は、「政治的な暗殺の可能性は排除できないが、具体的な証拠がない」と明らかにした。

 

マレーシア当局は、正男氏の死亡直後、在マレーシア北朝鮮大使を追放し、正男氏の遺体を北朝鮮に引き渡すことを拒否するなど強硬な立場を示したが、北朝鮮が北朝鮮に居住するマレーシア人の出国を禁止して報復措置を取ったことで、北朝鮮人容疑者の一部の出国を許可し、正男氏の遺体も北朝鮮に引き渡すなど、融和的に態度を変えた。

犯行に関与したと見らえる8人の北朝鮮人のうち4人は犯行当日に逃走し、残り4人は追放または出国が許され、北朝鮮にいると推定される。


韓基渽 record@donga.com